秋患い


君をずっと好きだったんだ

言い出せなかったけど

声に出したらダメなこと

わかっていたのにな


今年も海に行きたかったな

君の後ろ姿を

写真に撮っておきたかった

こんなに好きになった人は

今までにいないよ。

独り占めしておきたかった


君は大人ぶってさみしいって

言わないから

2人でいる時は

ただ笑って抱きしめてくれるけど

1人でいる時は

きっと膝をかかえて泣いてる

わかってるのに

勝手な僕を許してる


夢の中で君のカケラを

探し出して

夏が終わって秋がくる

目が覚めると

今日は君が産まれた日だった。


去年はちゃんと産まれた日を

祝ってあげたっけ?

何日も前からねだるように

君は僕に伝えていたのに

今年もおめでとうって

言えずに零時をまわった


君は不機嫌そうな悲しそうな

顔でみつめてる

怒って僕の顔に

優しく手のひらを押し付ける

きらい。って呟いて

それを黙ってみてるとまた

だいきらいって呟いた

その瞳は大好きだっていってるのに


君を閉じ込めておきたいくらい

誰のものにもならないで

いつかこんな日がくるの

わかっていたのにな




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