学園一の先輩に巻き込まれの体質のボクは必然的に巻き込まれるのは当然だった。
葵流星
科学部
「よしっ、点呼を取るわよ!」
「先輩、今日俺しかいません。」
「こらっ、まだ、私はあんたの名前を呼んでないわよ!」
「…。」
「よしっ、それじゃあ一条(いちじょう)大吾(だいご)!」
「…。」
高校に入学してからもう5月になってしまった。
「士郎(しろう)!」
「はい。」
「よしっ、今日は2人ね!」
そもそも、なんでこの部活に入ることになってしまったのかというと…。
まあ、それは後で…。
何やら先輩は、テーブルの上に置かれていた箱が気になったようだ。
大吾が今日は用事があるからと部室に置いてきたものだ。
「…あれっ、これは?」
「大吾の忘れ物です…。」
「ふふっ、それじゃあ何が入っているのか見てみましょう!」
「…なんか、変なシールが貼ってありますよ。」
「いいの、いいの…気にしない、気にしない…あっ!」
先輩が箱を開けると白い粉が先輩に向かって飛び散った。
「…。」
先輩の顔が粉で真っ白くなった。
「士郎君?」
「はい…なんでしょう?」
「へぇー、やっぱり大吾君とグルだったんだ。」
「なっ、何を言っているんですか先輩…。」
「これ…なに?」
先輩はさっき開けた箱の蓋を裏返しにしてこちらに見せてきた。
蓋の裏にはドッキリ大成功という文字がある。
「…先輩。」
「ふふっ…。」
カサッと部室のドアが開かれる。
そこには、科学部のメンバーが居た。
「玲奈(れいな)先輩、ドッキリ大成功です。」
「さすが、玲奈ね。引っかかってくれると思っていたわ。」
「…貴様ら、っ!大吾君は?」
「大吾君なら紅葉(もみじ)ちゃんとどっかに行きましたよ。」
「覚えてなさいよ、一条…。」
少なくとも俺は今、この部活を楽しんでいるのは確かだった。
学園一の先輩に巻き込まれの体質のボクは必然的に巻き込まれるのは当然だった。 葵流星 @AoiRyusei
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