第4話
生まれた時から気づけば、人間に嫌悪していたよ。
小学生になって、学校でも家庭でも嫌なことが多かったよ。
シオンを見て、話したりしたよ。
耐え切れずに、いないと思った神様に縋ったよ。
予知夢が現れたよ。
最初は良かったよ、救われた気がしたよ。
次に、他人の感情が自分に入ってくるようになったよ。
気持ち悪さのあまり、人の多いところへ行くのがトラウマになったよ。
必死になって他人の感情が入ってこないように壁を作ったよ。
気を抜くと数日でまた入ってくるから、入ってこないようにするのに1年近くかかったよ。
キャラクターに恋をしたよ。
死ぬほど辛かったよ。
だから記憶を封印したよ。
そしてまた辛い恋をしたよ。
その中でシグと約束したよ。
嫌いな人間に対して思ったことが本当になったよ。
そのあと私も同じように罰が下ったよ。
何回か繰り返して気づいたよ。
どうやら呪いの類が無自覚に使えるようになったみたいだよ。
人を呪わば穴二つ、ここから思う事すら制限されたよ。
嫌な事をしてくる人間に、死んでくれとは勿論、不幸を考えられなくさせられたよ。
精神環境はまさに地獄だったよ。
髪が白いのが目立つようになってきたよ。
風が、天候が、私の心を汲んでくれるようだと感じたよ。
願えば友のように、風は動きを変たよ。
私が泣けば雨は降り、泣き止めば雨は止み、願いのまま雲は形を変え姿を消したよ。
走るの嫌いだったけど、走ってる最中数秒だけシグと一体になれた感じがしたよ。
だから嫌いじゃなくなったよ。
中学生になったよ。
封印した記憶と出会ったよ。
思い出して、止まらなくなったよ。
死ぬことも受け入れて、続きを見たよ。
死ななかったんだよ。
続きがあったんだよ。
泣いて、泣いて、それからもう二度と、誰を好きになっても忘れないでいようと誓ったよ。
予知夢も頻繁になってきていたよ。
予知夢が多すぎて、それはもう救いではなくなったよ。
予知夢通りになるのが嫌で、わざと未来を変えようとしたよ。
けれど、ダメだったよ。
私が普通なら絶対やらないと思う行動をとっても、その結果は予知夢通りだったよ。
受け入れても、反発しても、結果は予知夢通りだよ。
心が、もう砕けそうだったよ。
世捨て人になろうかと思って、現実的に無理そうだと諦めたよ。
いっそ死ねたら、楽になるだろうなと思ったよ。
シグとの約束、私に出来た信念が、それを阻むよ。
私の心は氷みたいになったよ。
感情の波が何もない、いつも無表情や、笑顔でいるようになったよ。
嫌な事があっても、怒るような事があっても、悲しみにくれても、笑顔に無表情だよ。
小学生からずっとあったいじめ、中学生になっても引き継がれていたよ。
けれど、私の表面上の変化か、いじめはいじめでなくなったよ。
陰湿なやつもいたけれど、私はその学校のアイドルになっていたよ。
誰も彼もが私の姿と名前を知っていたよ。
私は全く相手を知らないのに、私が挨拶したり、手を振ったら歓声が上がる状態だよ。
男女、学年とわず私は人気者になっていたよ。
シオンも、クロも、シグも私の傍にいて支えてくれたよ。
そして、私はあの人に出逢った。
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