今際の願い

暴徒

(完結)

見えない明日の調べ

閉ざされた歓びの唄

遠く彼方でうごめいている私の背中が

戻らない光の遺言を語っている


終わっていく夢の途中で

立ち尽くすしか呼吸も出来ない

しかつめらしい契約書の数々は

私の鼻をくすぐるだけで

透明の風


指をひとつひとつ切り落としながら

無垢だった昔を思い浮かべて

いつも笑顔の咲いていた面には

今や荒涼たる闇が広がるばかり


空想へと挑んだ者の

末路の嘆きをどうか聞いてほしい

血の気も失せてしまった全身の

心の行方を教えてほしい


きっと生きようとしていた頃もあった

私は私の足と友誼を結んでいた

信じられないのは視力を失い

歩くことすら叶わなくなった指先だ


ああ 私は懇願している

飽きもせずに祈りすぎて 自らの手指

を祈り砕きながら

この沼に沈みきる前に

私の物語が 誰かの耳に届くことを

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今際の願い 暴徒 @sakuneko

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