愚者
…………あっけなく終わったリブート騒乱、カンパニーはまたいつもの平和とは程遠い、騒がしい毎日に戻った。
ハンターたちもまた、日常に戻り、アッシュワールドに留まるもの、元の世界に戻るもの、あるいは新たな世界に旅立つものと、それぞれの道を歩み始めた。
そんな時、何気ない瞬間、ふと黒いカードが現れる。
それは靴の中だったり、ポケットに突っ込まれてたり、寝てた口にねじ込まれてたりした。
それを手に取り、目にした瞬間、誰にも知られない、最後の戦いが始まる。
◇
ユージョー・メニーマネー
ただしもはや個人の名前など意味をなさない存在となっている。
・顔
緑の前髪に赤の後ろ髪、全体として長めのヘアスタイル。
童顔で、そこに張り付いたような笑顔を貼り付けている。瞳の色は通常は濃い茶色だが、何故だか赤、青、黒、紫、緑色とコロコロ変わる。
額には遮光ゴーグルをつけている。
・体格
158cm 59kg
小柄な体でも引き締まって筋肉質な体をしている。
引いてみると髪型もあってか頭が大きく見える。
・服装
赤色のシャツ、緑のズボン、肩にかけただけの白い肌掛けはよくずり落ちる。
シャツは前掛けのようになっており、どちらかというとエプロンに近い。
ズボンは左右のスリット部分に紐を通して筒にしており、それを引き抜くとはらりと落ちる。
靴はマジックテープで簡単に脱いだり履いたりできる。
・装備
デッキホルダー、左腕に装着、ここから魂のデッキを作り出し、カードを引く。腕に一体化していて取り外し不可能。今回は魂のデッキではなく、ファイブカードを引く。
スキンポケット、皮膚と同色のシール。カードを隠しながら身につけることができる。
輪ゴム、髪や手首などにいくつか付けている。
遮光ゴーグル、サングラスにも水中眼鏡にもなる。地味に防弾仕様。
インカム、通信装置。耳の穴に入れるだけで、小型ながら一ヶ月は連続稼働でき、骨伝導で会話可能、これをスペア混みで五つほど隠し持っている。今回は周波数を対戦相手の無線機に合わせてあり、持っていない場合はそこらのスピーカーや携帯電話へと繋げられる。
・性格
みんなを笑顔に、と言っているが、サイコパス。最後には死体でも笑っていれば幸せと豪語する。
派手好きで目立つことが好き。高い所での口上を何よりも大事にする。
一方で分が悪いと押し黙り、逃げ腰となる。
リブートのメンバーとは表面下で意見の対立があり、主流であるこれまで同様の保守的な考えに反発、今回の騒乱に乗じて全部を切り捨てた上で好きに遊びだした。
だが内心、自分らよりも上位の存在である『プレイヤー』を酷く憎んでおり、それに僅かでも爪を立てられるなら、なんでもするし、実際してきた。
最後の戦いにおいて、その精神は暴走しており、一定時間ごとに性格がコロコロ変わる。それでも、戦いでの思考思想は一貫しており、多種多様な戦略戦術を積み重ねての奇襲とゴリ押し織り交ぜたエンターテイメントバトルを仕掛けてくる。
・経歴
やらかし続けているカンパニーが唯一公式に失敗したと明言するとある実験の唯一の生き残り。内容は機密情報とされているが、『リブート』発生とは別の実験だった。それにより一層『プレイヤー』に近しい存在になった、と言ってたり言われてたりしてる。
過去現在、あらゆる異世界含めて彼の存在を知っているものからは口々に怪物と呼ばれ、恐れられている。
産まれてくるべきではなかった、の語源。
公式な立ち位置としては『リブート』のような外部委託組織との連絡員で、闇の陣営との人脈と表沙汰にできない数多の秘密を闇から闇へと葬ってきた。それらから、肩書きよりもかなり高い地位と権力があり、下手するとスポンサーでさえも暴走を抑えられない。
・舞台
『プレイヤーズアンノウン』
黒いカードに触れたもののの意識だけが飛ばされる極小の異世界で、他の生物や意識体が一切存在しないということ以外は、実際にある世界のコピーである。
ただし地理として、降り立つ場所はアッシュワールドに限らず、今まで訪れた場所だったり、全く接点がない場所だったりする。ある程度『愚者』の裁量によって場所は選ばれている。
中に持ち込めるのはカードに触れていた時に身につけていたものと、戦いに必要と思われる武具一式、それと例外的に認められた少数の仲間に限られる。
少数の仲間は乱入ペナルティーとして2000ポイントのダメージを受ける上、相手の『愚者』は一人につきカードを二枚、追加で持てる。そのため、人選を誤り、いたずらに大人数で挑むとただ不利になるだけに終わる。
降り立った瞬間、ここが普通ではないと自覚できる。
構造としてはオーロラ体のようなコピーに近いものだが、原理そのものを理解できてるのは『愚者』含めて存在しない。
この世界での時間の流れは恐ろしくゆっくりで、百年が外の一秒に相当する。だからといって中での空腹や老化はそのままなのでゆっくりはしてられない。
中には生物や精霊の類は存在せず、人工知能も一定以上の性能を持つものは起動すらしない。
脱出するにはカードに触れたものか、『愚者』のどちらかが死ななければならず、生き残った方がカードに触れたものの体に戻る。一緒に来た仲間は勝敗がどうであれ、生き残れれば帰れるが、死ねば戻れず、体は健康なのに一切の行動を起こさない、まるで魂を抜かれた人形のようになる。
それが実際に可能なのか、体を乗っ取っただけでプレイヤー世界にいけるのか、そもそもプレイヤーなんているのか、疑問は沢山だが、本人は深く考えておらず、いないなら良し、失敗しても嫌がらせにはなるだろう程度しか考えてない。
上記のことは訊かなくても『愚者』が説明してくれる。
・能力
運動能力は高いが戦闘訓練は受けていない。手先は器用で手品が趣味。
魂のデッキ
詳細は別途に。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054886795143/episodes/1177354054886795368
遊びの神のご加護
ランダム要素のあるゲームにおいて、賭けた金額が大きいほど幸運に恵まれる。能力、チートとも呼べるが、本人に自覚はない。
ダークゲーム
対象となる人物が了承した場合、発動する。どのようなゲームであれ、敗者は魂を抜かれて勝者にあけ渡さなければならない。
ブラックカード『ヒューマン』
本来持っていたチート能力、ダークゲームで奪った魂十人で一枚を作り出し、自分自身を召喚できる。完全なクローンであり、意識は共有しているため、単純に肉体が倍になって強い。しかしその強すぎる性能からカンパニーに危険視され、また本人も強すぎてつまんないと
その結果、追加されたのが魂のデッキであり、魂を上のカードに濾し取られることでブラックカード制作人数が百人に増えた。
ダークカード『プレイメーカー』
自分のオリジナルである『世界』へ一方的なダークゲームで魂を奪いとった結果、進化した最終能力。
今回のリブート騒乱によってあぶり出されたゲームの主人公、即ち『プレイヤー』候補へ送りつけ、強制的に『プレイヤーズアンノウン』へと引きずりこむ。
そこで勝利し、自分が『プレイヤー』となるのが最後の望み。
ファイブカード
五枚のカード、あらゆる犠牲を払ったにもかかわらず『プレイヤーズアンノウン』に持ち込めた唯一の戦力、それぞれにはこれまで関わってきたモンスター、サイボーグ、各陣営の戦士にターゲット、更にはハンターの力までもが、生死問わず、敵味方不問で、コピーではあるが封じてある。どの能力かは事前に選べるらしい。
それぞれを実体のある
コストやデメリットの算出方法はまだ解明されておらず、一定ではない。
・口癖
ようこそプレイヤーのみな様! これより最後のデュエルの開戦です!
レディース&ジェントルメン!
お楽しみはこれからだ!
これが俺の切り札だ!
お前、消えろよ。
カンパニーにまつわる全ての自主企画の集大成です。ご存分に。
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