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二人の電話も処分しなければならないが、己の電話だって処分しなければならないことに気がついたんだ。
「最後の霊力を振り絞ってあの高校生二人は証拠の電話を袋に入れて木の上にあげたんだ。あっぱれだね」
「ありえないことがおこるものなんですね」
「ふふん。だからおもしろいんじゃないか」
出雲大社はお洒落に鼻をツンと上にあげた。湖は二重アゴをこしらえて口をへの字に結んだ。
「まあ、君はともかく彼女に殺されるような僕じゃないけどね」
「私は死んでもいいってことですか。ひどい。うー、でも聞きたいことがあります。本野裕子さんの親御さんはなんで自宅を引き払ったんでしょうか」
「簡単。彼女の内に秘めていた変質的なものに気付いていたんだろう。子供のころから奇行があったそうだから。だから彼女が行方不明になった瞬間、彼女はもうこの世にはいないと悟った。そんな感じだったよあの家をまとめた時。だから家に結界を張って、何人たりとも中に入って来られないようにしてほしいと言ったんだ。入って来れなければ彼女の性格上入れるまでここに居続けるのを知っている。で、新しく越した自分たちのところには来ないだろうともね」
「なんだか切ない話ですね」
「ほらまた自分の物差しで見てる。そう思うのは君が彼女を憐れんでいるからだよ。でもその彼女はそんなこと思われるのも心外だって思ってるかもしれない。殺すのが趣味だった人なんだから」
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