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「で、死体はどこかにダレカが隠したとしても、電話が見つかれば自分がやったことがばれてしまう。だってそうだろ、嘘の写真を見せて好きな人の相談をしたいってメールを送ってるんだ。それに彼女の嫌がらせメールだって残っている。最後のメールがそれだろうからね。それに、藤巻君が高宮君をつけていたんだから、メッセージや何かを送られていたらやばい。それにGPSだって作動してたらそれも誤魔化さないとならない。疑われるのは自分になる。しかし、電話さえなくなればあとはどうにでもなる。そうしたら死体が見つかっても自分が捕まることは無い。そう考えた。しかし、当の自分がおかしいことにも気づき始めていた。そして僕に会ったときにそれは確実なものになったはずだ。自分の後ろにいるナニカと僕が話してるんだから。きっと怖くて振り向けなかったと思うよ。だから目を見開いてじっと固まってたんだ。だから、自分が死んだ高宮だと名乗れば僕たちが死体のありかを探し出してみつけてくれると考えた。最終的に僕たちも殺す気満々だった。あらかたこのくらいの薄っぺらい考えだったんじゃないかな」
「……」
「え。今のところは『どうしてですか』って聞くところじゃないのかい?」
「……ぇぇぇぇぇえええ、だって話を遮るなって言ったの出雲さんじゃないですか」
「君はほんとあれだね。今のはわざと僕が間を空けてあげたんじゃないか」
「そんなの分かりませんよ。で、なんでですか」
聞かないと聞かないで面倒くさいので投げやりに聞いてみた。
「それはね、僕が過去に本野裕子の自宅へ行ったことがあるからだよ。本野裕子が僕らを案内した家があったでしょう? あそこ、高宮君の家じゃなくて、本野裕子の家だったんだよ」
「えー。だって高宮さんの家って言ってましたよね。てか依頼されたことがあるなら名前が違うって分かったはずですよね」
「君ね、この僕が赤の他人の名前をいちいち覚えるとでも思っているのかい? 忘れていたよすっかりね」
そんなこと自身満々に言われましても困るってっもので、仕事の依頼を受けた人の名前なんていちいち覚えてられないし、覚える必要なんてないでしょ? と、自分の考えは間違っていません的に胸張って言われた。ついでに、高宮が弾き飛ばされたのを見て、はたとこの家のこと思い出したそうだ。
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