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「ここにはこの二人しかいませんよ」
「姉ちゃん、なんでそんな普通の顔してられんだ? まああいいか。姉ちゃんが森に入ってったのが見えたんだよ。俺が殺した女、ここに埋めてるからよ、掘り起こされたらばれるだろう? だからこうして定期的に見回りにきてんだよ。どっかのバカが入り込んできてまかり間違って見つけて見ろ、えらいなことになる。で、姉ちゃんを見つけた。で着いてきたらこのざまだ。幽霊が見えるなんて不思議なもんだな。でもよ、こいつらを殺した女はどこだよ」
「もしかして、本野裕子を殺したのはあなたなんですか?」
「あ? この二人を殺したあの姉ちゃんそういう名前か? 初めて知ったなあ。この兄ちゃんのことを殺して血を飲んでるサイコ野郎が目の前にいたら迷わず殺すだろう? だろう? だから後ろからめった刺しにしてやった。そのあとヤッた。さすがに高校生はいいな。興奮したぜ。へへ。で、何回も何回も何回もヤッたあとで、体が冷たく固くなってきたからよお、最後に思い残すことなくヤリまくって、この二人の隣に埋めてやったんだよ。姉ちゃん掘り返してただろう? 三体埋まってただろうが」
こいつ、危ない。と気づいたのは少し遅かったか。なんでこんなことを自分からべらべらしゃべりまくるのかなんて言わずとも分かる。
殺す気だからだ。
死人に口なし。本野裕子と同じ目にあわされるんだ。
死んでからやられる。この気持ち悪い男のおもちゃにされる。
考えただけで吐きそうだった。
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