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 御先祖さまや守護霊を憑依させるやり方もあるそうだが、この占い師は人を一目見ただけで、何が分かるのかは教えてくれなかったけど、分かるそうだ。

 そんなこんなの口コミで、この占いの館の噂が広まり、巡り巡って湖の耳にも入ったわけで、見つけられる人にしか見つけられないというのもただ単に波長が合ったときに会えるだけの話だと言った。


「みんな俺に会いたくて一生懸命ここを探しているって話、聞いたでしょ? で、占いの館なんだからコーヒーくらい出さなくてどうするの? この前までコーヒー係いたんだけどちょっといろいろあってね。で、後任の君におまかせすることにしたから。というわけで、明日、お昼くらいに来て、まずは猫のことやって。そのあと来客があればコーヒー淹れて。ってことで、もう帰っていいよ。俺でかけるから」

男は一方的に言いたいことを言うと湖に帰れと言いmjh、しっしっと野良猫を追っ払うごときに手を振った。


 湖はとりあえず今後の身の振りを考えたくて、とりあえずどうしたらいいのか教えてほしくてここへ来た。運よく占い師のところまでたどり着くことができたけれど、欲しい答えはもらえなくて、その代りといっちゃなんだけど、仕事をくれた。しかもそれが猫の世話だなんていまだかつて聞いたことがない。


 猫のお世話係(エサとトイレ掃除業務)とコーヒー係。


 コーヒーといってもスティックコーヒーを出すなんて、とんでもなくいい加減だ。

 それを湖にやれと言うわけだ。

 明日のお昼からここに来て仕事をしろと言われても、果たしてこんな仕事と呼ぶに呼べない仕事をしていていいものなのか。

なんて言える立場じゃないのは百も承知だけどあえて言いたい。それに保険のことだっていろいろと心配だ。

 さらにはアルバイトなのか正社員なのか。そこのところだってはっきりしていない。

 極め付けに、これから出かけるから帰れときた。


「朝倉さん」

 不意に呼ばれて顔を上げれば、目の前に綺麗なお顔が現れた。

「明日から来てくれるよね」

 目の前にイケメンが迫ってきたら、

「はい。とりあえず……来てみます」

 というしかないではないか。否定などできない。

「あっそ。よかった。じゃ、改めて。時間ないからサクッといくよ。占い師の『出雲大社』です」

 男は自らを出雲大社と名乗った。

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