月の道

『 暗闇に仄かに光る月の道』


**********


幼い頃は夜が怖かった。


家の中の小さな闇にさえ怯えて寝付けなくなるような子供だった。


いつからだろうか。

陽の光よりも月の淡い明かりに安堵するようになったのは。


今夜も月の道を歩いて家路を辿たどる。


ひんやりとした空気に、沈んだ心のおりをサラサラと流しながら。


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