古い手紙

『捨てきれぬ古い手紙を胸に抱く』


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整理かたづけをしていたら、もう何年も前に行方不明になっていた手紙が本の間から出てきた。

夫との遠距離恋愛中に彼がくれたものだ。


インターネットも携帯電話も無かった時代には手紙をやり取りするだけが繋がりで支えだった。


今になってこんな形で不意打ちは卑怯なんじゃないの?と

苦笑いしながら仏壇の写真を見る。


確かに其処にあったはずの想いの亡骸なきがら

今は静かに眠りについている。


ゆっくりと色褪せた手紙をたたんで、好きだった本の間に、また戻した。

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