花物語
古屋 瀧
Dendrobium-デンドロビウム
僕の彼女は美しい。
今日は一年記念日で少し奮発して小洒落たレストランに来た。外では雪が散らつきはじめている。
彼女は艶めく長い黒髪を後ろにゆったり結い、紅いリップで引き立たされた小さな口元に美味しそうに料理を運んでいく。
紫色にグラデーションされたアイメイクがよく似合う色っぽい彼女は誰もが振り返るほど美しい。
僕なんかがこんなに美しい女性と付き合っているなんて未だに不思議で仕方ない。でも確かに僕の彼女で、僕は彼女を愛している。
この容姿端麗な彼女にひとつだけ欠点があるとすれば、"わがまま"なところか。
デートに行っても歩くの疲れただの、あれ食べたいこれ買ってだの、必ず一回はわがままを言う。
許してしまうのは僕の甘さか、彼女の美しさのせいか。
「ねえ、デザートやっぱりフォンダンショコラに変更してもらえない?」
また言ってる……呆れる事もなく店員を呼ぶ僕はやっぱり彼女に甘いのか。
でも良いんだ。彼女の白いワンピースが僕への純粋な愛を証明しているから。
デンドロビウム
花言葉 〜selfish beauty〜わがままな美人
白いデンドロビウムの花言葉は
純粋な愛・誘惑に負けない
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