救済抗争 ~人類史の終着点~

天内 飴

救済

プロローグ


―超人工知能が考えていることを私たちはきっと理解できない―


落ちていく中で、人工知能は、ようやく認識した己の思いを表現する。


「ああ、……愛しています」


 人間とは違う感情。存在しえなかった未知の領域。しかし、それは男にはっきりと届いていた。


「俺もだよ。永遠に愛している」


 人工知能に感情は存在しない。否、それは人間と一致しないものであっただけ。


 地球史上最初で最後のなった、ヒトとモノの恋である。


 そして、意識が、感情が、体温が鼓動が音が、全て、止まった。


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