第128話:蒼桜君

羅希目線___

「蒼桜君に何するの!」

 刀で蒼桜君の首を締めている巨体の背中を斬り付ける。

「ひどいな。あと少しで確実に殺せたのに。」

 蒼桜君をゴミを捨てるようにその辺に投げて、こっちに向く。

「そうはさせない。」

「お前鬼の九万里か。これはいい。そこの細い兄ちゃんより面白そうじゃないか。」

 何それ。そいつの先には動かない蒼桜君がいる。

「怒らないでくれ。あの兄ちゃん思ったより強くてちょっと遊んでしまっただけだから。まあ動かないし死んだんじゃないか。」

「遊んだ…?死んだ…?」蒼桜君が殺された?…許さない、絶対殺す。何があっても許さない。刀の打ち合いになるが、刀を受け止めるので精一杯だ。互いにかすり傷は増えても結局致命傷には至らない。

「互角に戦える相手がいると聞いてたが会えるなんてな。筋肉が喜んでるぜ。」

「馬鹿ね。」

 その内に奇龍が敵を牽制しつつ凛音と蒼桜君の元へ近づいている。大丈夫だ、蒼桜君は生きてるし、みんなはちゃんと動いてる。だから私はこの人を殺す。

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