第126話:重くなる雨梨先輩、焦る私

凛音目線___

「雨梨先輩!取りこぼしました!」1人を相手にしている間に1人すり抜けられてしまう。

「うぐっあ!」雨梨先輩!目の前の敵を斬り、雨梨先輩を見ると馬から落ちていく姿が見えた。

「よそ見は良くないよ。お嬢さん。」

 目の前の敵の刀を受け、斬り返し、相手の腹部が空いた瞬間に相手を突く。

「ゔっ!」

「雨梨先輩!」雨梨先輩の痛そうな声が聞こえてくる。

「凛音…ごめん。」

 周囲の敵を斬り捨て雨梨先輩の元に行くと左手で右手首を抑えている。布は赤く染まりきっていた。

「手大丈夫ですか?」

「ごめん、馬には乗れなそう。」

「とりあえず乗ってください。」雨梨先輩は私の手を掴み凛音の後ろに乗る。痛そうな声が後ろから聞こえてくる。

「大丈夫ですか?」

「っ…ごめん…大丈夫。」

「ごめんなさい。私が捕り逃したから…。」

「そうじゃないよ…。僕の反応が遅れた…。」雨梨先輩の重さを背中で感じた。息も荒い。早く手当しないと…。


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