第82話:迷い
羅希目線――
もしかしたら見落としがあるかもと探したけどやっぱり居ないか。もし誰かに匿われてるとしたら…桐谷先輩の家しかありえない。桐谷先輩のお父さんは大和の中等部の先生をしている。きっとどの軍であろうと傷ついた子供を放置できないと思う。先生は正義感の塊で、そして優しい。凛音がここら辺で傷ついていたのを見つけたら匿ってるはずだ。だけど踏み入れないのは、桐谷先輩のことがあるから?いやそれだけじゃない。今大和の誰が敵で誰が味方か分からないのに、中等部とはいえ関係者である先生やその家族に詮索されるのを避けなければならない。毒混入事件は中等部の先生も知ってるだろうに、私たちが行くとややこしい事になりそうだ。確実に凛音がここにいるって分からなければ、迂闊に入れない。
「羅希先輩。瑞樹に頼むのはどうですか?」
「ううん、瑞樹君は前の誘拐の時に関わってくれてるし、雨梨の相部屋でしょ?監視下にあってもおかしくない。」
「そう…ですよね。」
行動しなければ何も変わらない。だから誰かが行かなければならない。どうしよう。
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