第67話:痣

羅希目線_____

 その後数日間はいつものグダグダだけど楽しい時間が過ぎ、夏休み明けの登校日になった。

「凛音、いよいよ明日からだね。」

 明日から凛音は通学生になる。

「大変お世話になりました!」

「そんな、いいよ!班の先輩であることには変わりないし!」

 本音を言うと寂しくなる。そんな話をしていたら凛音の肩に何かあるのが見える。

「凛音、ごめん動かないで。」

 すっとその何かを見ようとすると自然と見せないように体を動かす凛音。

「この痣どうしたの?」

 肩に大きな痣。休み期間で帰省してたら出来る痣ではない。消えかけてはいるけど、これはちゃんと聞かなきゃダメだと思う。下を向く凛音に再度聞く。答えない。

「実家で何があったの?」

「ぶつけちゃって…。」

 言いたくないことを無理に言わせるわけにいかないか。

「分かった。一条でなんかあったら言ってね!うちらは凛音の味方なんだから。」

 これは蒼桜君に報告すべきかな。今の蒼桜君にはそんな余裕ないか。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る