第41話:ばかのかん

奇龍目線_____

 最近雨梨がおかしい。でもねえちゃんに言っても、あんたの気のせいよと言われるし、凛音に言ったらそうですかー?と言われるし、蒼桜先輩は忙しいのかなんなのか話す時間がなさそうだ。

「おい、バカ!」また蜘蛛みたいに天井に張り付いて話しかけてくる。

「なんだよー。」

 今は一番会いたくない相手だ。

「元気ないな、変なもんでも食ったか?ティッシュとか?」

「はぁっ?俺は人間としての威厳すら無い扱いかよ!」

「今更か。それより雨梨は?」

「今日はラボじゃねぇか?」

「それがいなかったから、バカな雨梨の腰巾着に聞いてるんだろ。」

「腰巾着じゃねぇーよ!ラボにいないなら寮は?」

「それも見た。お前腰巾着のくせに、俺が既に行った場所しか思い浮かばないのかよ。」

「うるせーよ!そこまで急いで探す要件はなんだよ?」

「本人以外には言えない。」

「一応行く場所に当てがないわけではねえけど、お前には教えられない。俺が伝達ぐらいするけど?」

「今度でいい。」

 中学からの後輩だけど、相変わらず無愛想だな。

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