第32話:熱い

羅希目線_____

 一瞬意識を失いかけた私に何か液体物を注射する。

「人はね痛みになれちゃうから、寝てしまうんだよ!だから寝れないようにしないとね。」

 体が熱い。

「何を…っ!」

 あきらかに体に異常をきたしてる。

「実験体になってもらっただけだよ。薬のね。大丈夫。死ぬことはないと思うから。たださっきより感じやすいかもね!」

「はぁっ…はぁっ…。」

「苦しかったら楽になればいい。言えば天国言わねば地獄…。」

「言わないよ…口は堅い方だから。」

 この音が遮られているはずの部屋にも聞こえる爆発音。そして、

「えーテステス!聞こえてる?どーも!バカな姉と可愛い後輩を引き取りに来ました弟の九万里奇龍です!」

 バカ。敵陣に行くのに名乗るバカがいるか!それにあんたにバカとは言われたくない。

「これから10数える間に返さなかったら突撃します!」

 蒼桜君の声だ。凛音と目が合う。

 ちゃんと来たでしょ?と言わんばかりの顔。ちゃんと来てくれたね。

 するといきなり降ろされ電気が通る縄に私は縛られ奴に連れて行かれる。

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