第31話:変化
羅希目線_____
口の中に血の味が広がる。尋問で答えずに、今私は木の棒に縛り付けられ空中で大の字になっている。
「仲間の敵!」
「うっ…はぁ…。」
さっきから殴られ、電気を流されの繰り返し。女の子だから顔は殴らないと言うが、もう代わりに殴られ蹴られつづけているお腹が限界だった。
「もう一回聞く。君の班には神咲とあの後輩ちゃん、弟君以外にだれがいる?」
「い…わない。」言えない。雨梨は有名な武器や機械開発者。神童と呼ばれていたらしい。白軍からすると喉から手が出るくらい欲しい存在で行方を探している。技術者の時の名前は偽名を使っているとはいえ名前は出せない。
「お仕置きだね!」
「うぁっ!あぁっ!!っ!!」
「おー!痛そうだね!体が反ってたよ!電気これで何回目?辛くない?さっさと吐けば辛くないのにねー!」耳元でそれを楽しそうに囁かれても全く反論出来ないくらいもう体力を消費している。まずいかもね。
「先輩!!」
「なんだよー楽しんでたところなのにー。」
「黒軍2名が建物内侵入!」
助けが来た…。凛音やっと帰れるよ。
「本当にお仲間が助けに来てくれたみたいだけど…2人で勝てると思うのかな?でもここには入れないよ。一枚目の扉を破っても二枚目の扉はパスワードが必要で、ここはセキュリティ指紋と声紋認証の必要な部屋だよ。そして、例えセキュリティをなんとかしてもこの部屋は隠し扉みたいなもの。気づけるかな?」
後輩らしきが凛音を連れてくる。
「羅希先輩!」
「凛音…。」
「急がないといけないし、声出されても困るから、口にこれを付けるね。」
口に布を縛り付けられ、凛音は向かい側に同じように縛り付けられる。
「じゃあ後輩ちゃんからかな。君との約束通り傷はつけないようにするね。えっと…君の班には神咲蒼桜と九万里羅希以外にだれがいる?」凛音も必死に秘密を守っていた。
「困ったな…じゃあLevel1ね(笑)」
スイッチを押すと
「うっ…。」
電気が流れる。
「言わない?なら大好きな先輩と同じLevel一気に10増やすね!時間ないからさ!」
「あぁっ!!うっ!!あぁっ!!」
凛音!
「ちょっと強かったかな?後輩ちゃん弱そうだし、せっかく2人いるんだし方法を変えよっか…。はい、いつでも口の喋れるようにとってあげるね。
君のは緩めるね。
後輩ちゃん、もう一度同じ質問だよ。答えてね!」
口の布を緩められる。
「答えるものか!」
「しょうがない。」
「あぁっ!!」
強弱のある電気責めに膝が震える。正直油断してた。
「羅希先輩!」
「どうする?」
「…凛…音。絶対質問に…答えてはだめっ!あぁ!!」
「羅希先輩っ!」
涙目になってても、答えない…。凛音は十分に黒軍の兵士だよ…。ごめんね…。私、凛音はまだ兵士にはなれてないって思ってた…。
でも立派にもう成長してたんだね…
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