第12話:雨梨と裸の付き合い
奇龍目線____
今日から俺とねえちゃんで凛音に戦場について教えている。今日は準備として騎馬兵団はどのようなものを準備しないといけないかについて教えた。明日は戦場の話になりそうだ。思い出話とかも話すことになるんだろうな。そう思いながら俺は風呂場に来ていた。いつもはもうちょっと早い時間に入りに行くけど、今日は気分的にあいつが来る時間に行った。
「雨梨!」
「あれ…今日は珍しいね。」
「なんとなくお前と一緒に入りたい気分なんだ!」
「今日…元気ない。」
「そ、そうか?」
「そうだよ。」
「戦争始まるだろ。凛音も戦場に出るわけだろ。俺の昔の頃みたいでさ凛音が。」
「中3のあの時の。」
「そう。凛音みてるとさ初めの頃を思い出すよなー。」
「まーね…。」二人きりで湯船に浸かる。
「あいつまだ向こうで元気にやってるのかな?」
「気になるの?」
「そりゃな!」
「奇龍、胸の傷跡消えないかもしれないけど薄くする方法はあるよ。」
「いいよ別にー。あいつが俺に残したこの傷跡は俺自身への戒めになってるからさ!」そう言い傷痕を指でなぞる。
「そうなんだ…身体流そうか?」
「お!久しぶりだな流し合いっこ!頼む!ってちょっと!雨梨!くすぐったい!!」
「元気のない奇龍、奇龍っぽくなくてなんか僕は嫌だ。今は元気無くていいから…明日は…。」
俺の体をくすぐるように洗っていた雨梨の手が止まる。
「ふっ…明日はまた元気な俺で…だろ?」
「うん…。流石奇龍だね。僕の気持ちわかってる。」
「まぁ俺ら一緒なのは中学からだもんな!それでもくすぐることはないだろ!?」
「だって元気無かったから…意地悪したくなった。」
「なっ!なら仕返ししてやる!」振り返り雨梨に仕返しをする。
「ん!くすぐったいよ…!」
「仕返しって言ったろ!」
「ちょっと元気ないままで良かったかも…。」
「ははっダメだ!早く雨梨降参しろよ!そしたらやめてやるから!」
「嫌だ。奇龍が先にやめたら僕もやめてあげる。」
「もうっ!わーかったよ!」自然にお互い向かい合って笑い合う。雨梨は中学の時より笑えるようになったんだな…。
「奇龍。」
「ん?」
「一緒に頑張ろうね。」
「もちろん!」
「勉強も…。」
「うっ…。」
雨梨はやっぱ雨梨だな。相変わらず意地悪だ…。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます