第3話:知らなかった事

蒼桜目線――

 急に教官に呼ばれた。

「失礼します。」

「あぁ来たか。」

「はい。何かありましたか?」

「お前の班に四月一日がいるだろう?」

「はい。」

「あいつな病気持ちらしい。」

 病気…?

「別に伝染るものではないんだ。昼間がとてつもない眠気に襲われてしまうものらしい。そしてたまに突然意識を失うことがあるみたいだ。これから戦争や軍の会議などに影響するだろうから、補助してやってくれ。」

「はい。」

「お前抜けているところあるけど、任せたからな。あと班のやつにもさりげなく言ってくれ。」

「はい。失礼します。」と部屋を出て少し考えことをする。俺と凛音の地元は高校からかなり離れていて、通学するのは大変な距離だ。そして軍の一員のためなかなか地元に帰れてない。その間に凛音が大変になっているとは知らなかった。昔守るって言ったのにな…。結局俺は全然凛音のことを知らなかったんだな…。

「蒼桜にい??」

「凛音…。」

「なんか考えことしてたでしょ!あっ!してましたよね?班長!」

「なんか違和感ありすぎるから、普通に今まで通りでいいぞ(笑)」

 こう見ると二年前とはそんなに変わってないように見える…。

「教官から病気のこと聞いた…。」

「あ!教官が私が言うより先に蒼桜にいに伝えてもらえたんだ!」

「大丈夫なのか?」

「昼間眠くて寝てしまうくらい!あとたまに倒れるときもあるけど、本当たまにだし!隊務には支障がでないようにするから!」

「無理するなよ。いつからだ?」

「無理しないよ!去年から!気づいたらなってて…。」

「そう言って無理するのが凛音だろ?」と言い昔みたいに手を凛音の上に乗せる。昔より大きくなったなと少し寂しさを覚えた。

「なんか昔みたいだね!」と恥ずかしそうに笑う凛音につられて

「そうだな。」と俺も笑った。


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