学生戦争 神咲班

吉川元景

第1話:ボーイミーツガール


 小学生数人が何かを囲んでいる。




 凛音目線――

「お前くっせーんだよ!馬の匂いがするーおえっ!」「あんたってさー本当むかつくんだよね!!!!!」

「死ねよクズ!」

「変な名前”しがつ ついたち りお”だってー!」

「お前の母ちゃんって本当の母ちゃんじゃないんでしょー!」

「親にも必要とされていないなんてかわいそー!」

 私は生まれてはいけなかった存在…。

 すると…。

「おい!お前ら何してんだよ!」

「ちっ!人が来た。しかも高学年じゃねえかよ。行くぞ!」

 人がいなくなり目をおそるおそる開けると。

「大丈夫?」

 ヒーローだ。幼馴染の神咲かんざき 蒼桜そら

 それから何度も何度もヒーローはわたしの前に現れた。


「大丈夫?凛音。」

「蒼桜にい…。」

「痛くない?」

「うん。」

 何故か気が付くと蒼桜にいは傍にいた。


 数年後――

 私は中学一年になった。中学になりいじめられることはなくなったが、蒼桜にいとは一緒に毎日登下校をしている。

「蒼桜にいって3年生だけど、高校はどこに行くの?」

「大和高等學館って知ってる?」

 嫌な予感しかしない。

「黒軍の軍事カリキュラムがある学校だよね?どの科に進むの?」

「戦闘学科。」

「そうかぁ…。」

 なんとなくわかってたよ。だってにいの妹分だもん。

「大丈夫だよ。心配しなくて。」優しく笑う蒼桜にいが心配で

「でも…。」と漏らすと、頭に蒼桜の手が置かれ、ポンポンされる。いつもの大きな暖かい手で触れられるとなんだか安心してしまう。



 その三月に本当ににいは進学してしまった。そして私も…。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る