第一章 吸配魔装

少し時は遡さかのぼり、名もなき伯爵級悪魔が守国十席第十席シルヴァ フォートが治めるシルベルン領を攻め込んだ時のこと。




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悪魔は伯爵級、侯爵級、君主級に分けられ、君主級は魔王に匹敵するほどの実力を持つ。


悪魔の強力なところは強靭な肉体、翼による飛行能力、魔力の多さなどたくさんある。


しかし一番強力なところは魔装のさらに上、魔鎧が使用できるところだ。


魔鎧とは文字通り鎧だ。魔力消費が多く、精密な魔力操作と魔力に順応した肉体が必要。そのため悪魔の種族固有スキルとなっている。しかしその性能は魔装とは一線を画する。


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『さあ悪魔、戦闘開始と行こうか。せいぜい楽しませてくれよ』




そこには龍のような模様が描かれた真っ赤な鎧を着た男が結界の外に出てきていた。




『何かっこつけてんだぁ!あんだけ大口叩いたんだからやられた後どうなるか覚悟はできてるよな?  エクス・ダークネス・エルヴァアル』




悪魔から魔力の波動があふれ出し、とてつもない量の魔力が込められた真っ黒い球体が五つシルヴァに向かって放たれた。




エクス・ダークネス・エルヴァアルはエクス級魔法の中でも上位の魔法だ。生半可な魔導士の放つエクス級魔法じゃ相殺することも難しいはずだ。見たところ鎧は上等なようだが、どうせ見掛け倒しだろう。そもそもあの男から強者特有の気配というものを感じない。強欲の魔王様から感じたあの強者の気配が。




魔力の球体がシルヴァに直撃し爆発すると思われたその瞬間シルヴァが動いた。




『【吸配魔装】』


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