第一章 試合
エレン「朝ごはんも食べたし、アウゼスたちのとこ行こうかな」
そう言って毎日の訓練をするためにアウゼスたちのもとへ行くのであった。
アリス『おはようエレン、今日の朝ごはんは何だった?』
エレン「おはようアリス、今日はハイオークのステーキだったよ。」
アリス『いいなーさすが貴族って感じだね!ランクDの魔物が朝食だなんて』
エレン「本当お父様のおかげだよ、たまに狩ってきたりもするからびっくりだよ」
アリス『守国十席の一人なんだから当然よ!』
エレン「う、うんそうだね」
すごい人だとはわかっていながらもどこかあの戦闘バカの父がすごいといわれても信じることのできないエレンであった。
アウゼス『よー待ったか?』
エレン「いや待ってないよ、僕も今来たところ」
アリス『もーアウゼスまず挨拶からでしょ、どうせ試合のことを考えてたんでしょ』
アウゼス『あーはいはい分かったって、おはようエレンにアリス。これでいいんだろ』
エレン「そんなにいやそうに言わなくてもいいのに、ところでゼルは?」
アウゼス『今日は朝から魔法の勉強だとよ』
エレン「そっか、じゃあ早速試合やろうか」
アウゼス『よっしゃ待ってました!』
二人が毎日しているこの試合は木剣で行われている、ただの木とはいっても職業や魔力があるこの世界では木剣でもなかなかのダメージがある。それを支えているのがアリスの回復魔法だ。基本的にエレンがダメージを負うことが多く、負った瞬間回復するというのがアリスの役目だ。これのおかげでエレンは身体強化が使えなくてもある程度耐えることができている。
アリス『よし、じゃあ試合はじめ!』
アウゼス『身体強化!!』
アウゼスの身体強化はまだあそれほどレベルが高いとは言えない、子供の中ではすごいといえるレベルだ。ただそれだけのはずの身体強化なのにエレンは命の危機を感じた。それだけ身体強化というのは強力な武器なのだ。
エレン「疑似身体強化!!」
それに対しエレンは気を体に巡らせる。ゆっくりではあるが着実に。これは身体強化ではない、あくまで疑似だ。しかしこの疑似身体強化は筋力などは強化されなくても、回避や防御力などは強化されていた。気は生命エネルギーの一種。体を守ることには使えても攻撃には使えない。
アウゼス『斬刃!』
魔力が込められ、一瞬でも気を抜いたら死ぬと錯覚さっかくしてしまうような一撃だ。右上から斜めに振るわれる剣を剣の腹でそらしていく。そらして隙すきができた瞬間を狙い渾身こんしんの一撃を勢いよく振るう。隙を突いたはずなのにすでにアウゼスは剣を受ける態勢になっていた。それを見てすぐさま剣を手元に戻し突きを放つ。アウゼスの胴体はがら空きだ、これは決まったと喜んだのもつかの間ギリギリのところで剣ははじかれた。
アウゼス『いきなり胴体狙いとはやるじゃねえか』
エレン「そっちこそ今のをはじくのは予想外だよ」
そう言ってお互い笑いあい、剣劇が続けられた。
結局のところ二人とも戦闘好きの親に似ているのだ。
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