チート職業で無双のはずが称号のせいで最弱職業以下に

のほのほん

序章 

「ふぁぁぁぁぁぁやっと学校終わったー」

校門を出て退屈な学校が終わった喜びの言葉を口にする。長時間座っていたことによる独特の疲労感を背伸びをすることによって解消する。


そして喰 響 (くい ひびき)は喜びの感情を少し抑えて顔に出さないようにしながら、家に向か買って歩き出す。


「さっさと帰ってゲームでもしますかー 今日は新しい魔法おぼえれるかなー」


響がしているのは、響が最近はまっているゲームの話だ。魔法を使って敵を倒し敵を倒した経験値でまたさらに強い魔法が使えるようになるそういうゲームだ。いい言い方をすると平凡、わるい言い方をすると無能の響が魔法という非現実的で特殊なものが使えるゲームにはまるのは必然とも言ってもよかった。どんなにあこがれてもどんなに神に祈っても現実では魔法が使えることはない。それを疑似的にでも使えているような気分にさせてくれるゲームというものはとても素晴らしい。だがゲームはすべてを満たしてくれるわけではない、どんなにゲーム内で強くなったとしても心の奥底では現実で才能に恵まれた者たちへのあこがれはなくならない。ずっと乾いたままだ。


響は平凡なのだ。


特に得意なこともなくあげくすべての能力は平均より劣る、小説やゲームの中にいる特別なものにあこがれを抱くただの普通の高校生。そのまま社会の一部として人生を終えるそういう人生を送る。


そのはずだった


「信号で待つ時間って意識したとたん長く感じるよなー 人生の中で信号待ちで待つ時間ってどれくらいなんだろ。 案外シャレにならない時間だったりして」

響はまたもやくだらないことを考えていた。周りの風景を見て退屈を紛らわす。ガソリンスタンド、一軒家、マンション、そうやって周りにある建物を認識していると小説の中でよく見かける光景が視界に映った


ボールを追いかけ赤信号で渡ってはいけない横断歩道にまだ5歳にも満たない男の子が飛び出してきたのだ

不運なことにトラックが道路を通過しようとしたその時に


小説の中の状況はあくまで想像上のものだったり、普通に生活していたら遭遇できないような非現実的なものばかりだ。そんな状況が突然目に飛び込んできたら人はどうするんだろうか。体を強張らせる者、反応が追い付かなくて思い通りの状況にできない者、自分を犠牲にして全力で目の前の状況を変えようとする者多種多様だ。


「危ない!」

響はそういいながら無我夢中で横断歩道に身を投げた。

ドン!

体に強い衝撃を受け、子供の無事を確認することもなく響の人生は幕を閉じた。

響は自分を犠牲にし目の前の状況を変えようとした。これから起こる奇跡に仮に理由をつけるとしたら響が己を顧(かえり)みず子供を助けようとしたからであろう。


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「ん、、、あれ?生きてる?」

気づいたら体の感覚があった、あたかも眠りが解け朝を迎えたようなそんな感覚だ。周りを見渡してみると白いとしか表現できない空間が広がっていた。


『そうですね生きてますねー』

「は!?どちら様ですか?」

まだ自分が置かれている状況を理解できていない響にとって、人の声がするというのは冷静になるいいきっかけだ。


少しビビりながらも声のする方へ振り返ってみてみると、この世のものとは思えない精巧な人形のような女性がそこにはいた。


『あ、自己紹介がまだでしたね、わたくし神でニルヴァーナと申します。』

「神なんですかーそうなんですねー   

っておい!いくら美人で神聖な雰囲気醸し出してるからってそんなの信じるか!大体ここどこですか!俺はゲームしたいんです。早く家に帰してください」

『それは無理ですねーだってあなた死にましたもん』

「死んだ?ちゃんと意識ありますしこのとうり身体もピンピ、、、、え?体が透けてる」

トラックにひかれたという記憶はあったが、こうして喋れていたので自分は生きているのではないかとどこか希望を持っていた。だがそんな希望ははっきりと絶たれてしまった。恐る恐る自分の体を見ているが、残念なことに女性の言っていることが嘘ではないことが、如実(にょじつ)に表れていた。


「もしかしてほんとに死んだのか俺、、、、、、、であなたは本当に神様?」

『理解していただけて嬉しいです、そして驚かれるとは思いますが響さんには私が管理する世界

に転生していただきたいのです。この世界では魔物などもいて危険がつきものですので拒否されてもかまいません。』


「魔法は!?魔法はあるんですか?」

ものすごい食いつきっぷりだ。それほどまでに異世界転生にあこがれていたということではあるが、悲しいことにその異世界への強いあこがれのせいで冷静さを欠いてしまった。


『もちろんです、どうしますか?転生されますか?』


「はい!転生させてください!お願いします!」

必死に頭を縦に振り全力で了承のサインを体で表している響。


『ではまず今からあなたに決めていただくことをお教えします。

それは職業、これはあなたが生きていくには欠かせないものです。伝説の職業に就いて無双するもよし。生産系の職業に就いて穏やかに過ごすもよし。ただこの世界では職業と称号が両方備わって真の強者と呼ばれる世界なので、職業だけ強くてもあまり無双はできないのでお気を付けください。』


「分かりました、魔法を使える剣士職ってありますか?後、称号はもらえたりしますか?」

『魔法も使えて、唯一魔法剣が使える職業の’’剣魔’’という職業があります。称号は選べませんが干渉して最初に得られる称号を比較的強力なやつにすることはできるかもしれません。』


「じゃあそれでお願いします!もう転生できますか?」

『え、ほかに説明は聞かないんですか?』

さすがの女神も驚くほどの速さで話が進むので、女神から話を持ち掛けたにもかかわらずとっさに聞いてしまった。


「大丈夫です!」

『了解しました。響さんの新たな人生が良いものになるよう祈っております』


この言葉を最後に響の意識はゆっくりと消えていった。

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