雨音パラレル
東村かんな
プロローグ
やるべきことはやった。
雨降る静かな田舎道で、私は小さく息をついた。一カ月通った図書館もこれで見納めだと思うと少し名残惜しかったが、ゆっくりしてもいられない。
さあ、後は確認して戻るだけだ。
大丈夫、きっと大丈夫。
ゆがむ景色。一度目にしている光景だけど、やっぱりまだ慣れない。それでなくても、その時の私は達成感と、緊張と不安でいっぱいいっぱいだった。
だから、気がつかなかったのだ。
結局、その時に落としたのであろう「それ」に、私は再び会う事が出来なかった。
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