第4話
◯漆原家(夕)・居間
サワ「ただいま…」
サワ、居間の戸を開ける。
サワの母(42)がワイドショーを見ながら煎餅を齧っている。
サワ「お母さん ちょっとお客さんが…」
サワの後ろで烏天狗は踏ん反り返る。
烏天狗「伯耆大山清光坊とはおれのことである」
× × ×
サワの母「天狗の団扇? そんなものあったかしら?」
烏天狗「いやある 感じるぞ 絶対この家にある」
烏天狗は部屋の中をウロついて壁を叩いたり匂いを嗅いだりしている。
やがて何かを察知する。
烏天狗「ここか!」
烏天狗は一室をおもむろに開く。
そこはサワの母親の部屋。
部屋一面がびっしりと宝塚のグッズで埋め尽くされている。
サワ「お母さん重度のタカラヅカ病に罹患してるの…」
烏天狗「こ これは…」
烏天狗、部屋に飾ってあった団扇を手に取る。過度に装飾され宝塚のトッ
プスターの名前が中央に書かれているが、よく見ればヤツデの葉っぱの形
をしている。
サワの母「ああそれ! その団扇で応援すると不思議なのよ! 必ず指差してハ
ケレスしてくれるんだから!」
烏天狗が団扇をひっくり返すと裏面にはデカデカとスターの顔写真が貼っ
てある。
烏天狗、青ざめて白目を剥く。
烏天狗「て 天狗の団扇をこんなことに…」
烏天狗、卒倒。
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