わがままロボット

勝利だギューちゃん

第1話

アンドロイド

人間型のロボット。


少し前なら、フィクションの中だけの存在。

なので、「作りたい」なんて言ったら、笑い者になった。


でも昨今、AIという人工知能を持った物や、

バーチャルロボというのも開発されている。


なので、現代ではあながち、非現実ではないかもしれない。


「さてと、スイッチを押すかな」

僕は、ロボットを開発させた。

女の子(JK)タイプのロボット・・・


今、カプセルの中で寝ている。


「待ってろ、今起こしてやるからな」

僕はスイッチを押そうとする・・・


「キスして・・・」

えっ、だれだ?

どこから聞える?


「ここよ。自分で作っておいて忘れたの?」

まさかと思い、カプセルの中で寝ているロボットをみる。


「お姫様は、王子様のキスで、目覚めるの。

だから、早く」

「僕は、王子様ではない」

「我慢しておく」

「こら」

「いいからしなさい」

仕方なく、唇を重ねた。


女の子型のロボットは目を覚ました。


「お早う。開発者くん。私を作ってくれてありがとう」

「いつから、目覚めてた?ロボットちゃん」

「開発者くんが、スイッチを押す前」

「ならなぜ起きなかった?」

「キス捨て欲しかったから」

「ウソ」

「わかるね。やっぱり・・・」


このロボット、失敗作だな・・・


「自分で作っておいて、それはないでしょ」

「本当に、壊すぞ」

「うそうそ。開発者くん、素敵だよ」

たく・・・


どうしてこうなった?


「子は親の鏡だよ。開発者くん」

「だまれ」


これから、いろいろ教えなければならない。

子は親の思うようには育たない。

身を持って味わった。


「ところで、パパ」

「開発者くんから、パパですか・・・」

「うん、ひとつ訊いていい?」

「なんだ?」


【私の名前は?】


決めていなかった・・・


「すまない。自分で決めてくれ」

「子供の名前は、親がつけるんだよ」

「じゃあ、芸名ということで、自分でつけろ」

「やだ」

我がままだ。


「わかったよ。じゃあ決める。和賀真彩だ」

「真彩?素敵な名前をありがとうパパ。で、どういう意味」


わがままだからとは言えなかった。


でもまあ、楽しい生活になりそうだ。

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わがままロボット 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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