とある飼育員と5人のフレンズ
みずかん
第1話『送別会』
ある飼育員が退任すると聞き、5人のフレンズがパーティに招待された。
この5人は、その飼育員が担当した歴代のフレンズ達だった。
「アイツとお別れかぁー
意外といい奴だったから寂しいなぁ」
彼が1番最初に担当したロードランナーが言った。
「そうですね。私の担当期間は短かったですけど」
2番目に担当したブタが上品に笑った。
「でも、こうして自分達の事を覚えてくれてるだけでも嬉しいよね!」
3番目に担当したレッサーパンダが明るく言った。
「そだねー」
4番目に担当したフェネックが頷いた。
「ところで彼はまだですか?」
5番目に担当したワシミミズクが首を傾げた。
十数分は経っただろう時、飼育員はやって来た。
「やあ、みんなお待たせ。
懐かしいメンツだな。本当にありがとう。
君達ともう会えなくなるのが寂しいよ。
振り替えれば色々な思い出があったねぇ。
ま、話は後でゆっくりするとして、一応最後の晩餐だから華やかに、乾杯しよう」
飼育員の送別会。
和やかなムードに包まれ終わると思っていた。
全員が飲み物を口にした瞬間...。
地下室。
「...あれ」
ロードランナーが目を覚ました。
「どこですか...?」
「ここは一体...」
ブタやワシミミズクが困惑する最中、
階段上の扉が開いた。
「よお」
飼育員が立っていた。
「おいおい!どういうつもりなんだぁ?」
ロードランナーが詰め寄ると
「うるせえ、騒ぐな」
懐から拳銃を出し彼女らに向けた。
「俺はな、お前達に人生壊されたんだよ。
だから、俺はお前達に復讐するんだ」
「ちょっと待ってよ。私らが一体どんな怒らすような事をしたのさ...」
フェネックが尋ねると
彼は銃を壁に向け、バーンと撃った。
「よく考えろ」
彼は階段を下りて目の前に現れた。
拳銃をあるフレンズに向けた。
「ロードランナー。来い」
「誰が来るかよ...」
バーン、ともう一発放った。
顔面蒼白のロードランナーが強気な発言することは無かった。
レッサーパンダは耳を塞ぎ怯えていた。
他の皆も動揺を隠せない。
彼は、ロードランナーを連れ外に出た。
ガチャッという音がしたので扉を施錠したのだろう。
取り残された4人は愕然として置かれた状況の
理解が出来なかった。
「...これって、遊びとかじゃないんですよね」
現実逃避したいのか、ブタはそう言った。
「あれは、本物の銃です」
一番この中では知識があるワシミミズクが呟いた。
「私達を監禁して何がしたいの?アイツは...
復讐って何?」
フェネックも落ち着きがなく、辺りをウロウロしながら言う。
「....こんなことする人じゃなかったのに」
レッサーパンダは失望を口にした。
すると、部屋の中にあった大きなモニターが点灯し、映像が映し出された。
「あれは...」
ワシミミズクが生唾を飲んだ。
別室に連れてかれたロードランナーの姿があった。
「なんだよお前...、
冗談もいい加減にしろよ...」
「これは冗談じゃない。忘れやがって。
おい、向こうの奴らも思い出しとけよ」
小さなカメラに指差しした。
「...オレが何した?」
「教えてやるよ。
俺のことをノロマだの運動音痴だの馬鹿にしやがって...、お前に復讐してやる。
どれだけ俺が屈辱的に感じたか!」
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