異世界裏稼業シリーズ

   

 四人の勇者と四大魔王との戦いが、伝説として語られるほど遠い昔となった、剣と魔法のファンタジー世界。魔物の脅威が消えた後、人間同士が国家間で争うという戦乱の時代もあったが、今や大きな戦争はなくなり、それぞれの『国』の中では平和が保たれていた……。

 こうした世界において「強者に踏みにじられた弱者の恨みを晴らす」という理念のもと、人には言えない裏稼業に携わる人々の物語を、シリーズとしてまとめました。

 なお「『ウイルスって何ですか?』シリーズの遠い未来ではないか」とも考えられるような作品舞台になっており、それっぽい話が作中で言及されることもあります。


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『異世界裏稼業 ウルチシェンス・ドミヌス(1)「桃色の髪の少女」』

https://kakuyomu.jp/works/1177354054889298697


【一言】

 異世界裏稼業シリーズ第一弾。


【執筆】

 2018年12月22日から2019年1月28日。


【初出】

「小説家になろう」2019年1月30日から2月18日。


【生まれた経緯】

 ある日、夢を見ました。内容は、昔好きだった時代劇みたいな物語でした。しかし、起きてから考えてみると、どう見ても舞台は江戸時代とは違う感じ。「まあ、夢だからなあ」と思いつつ「待てよ? ならば『江戸時代』とは違う世界設定でも、同じフォーマットの話は作れるのだな……」ということで。

 ファンタジー世界を舞台にした『異世界裏稼業シリーズ』が誕生しました。

 そんな経緯ですので、誰でも思いつくような作品です。ウイルスシリーズのように、私個人の経験や知識に基づいて書いているわけではありません。おそらく、探せば類似作品は、いくらでもあることでしょう。

 それでも敢えて。

「『自分にしか書けない』ものではないが『自分が好きなものだから』書く!」

 という気持ちで、始めました。


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『異世界裏稼業 ウルチシェンス・ドミヌス(2)「季節はずれの肝試し」』

https://kakuyomu.jp/works/1177354054889540724


【一言】

 異世界裏稼業シリーズ第二弾。


【執筆】

 2019年1月30日から3月19日。


【初出】

「小説家になろう」2019年3月20日から4月12日。


【生まれた経緯】

 インターネットで見ていた心霊番組(第一話ラストで作中キャラが見ていたような番組)が、発想のきっかけでした。そこで「肝試しで、とばっちりのような形で呪われて、死んでしまった場合。遺族感情って、どうなるのだろう?」と想像して……。

 最初は遺族視点のホラーものを書こうとしたのですが、どうも上手く書けそうにない。この気持ち、私の表現力では、読者から理解はされても共感はしてもらえないのではないか、ならば脇役にするべき……。そこまで考えたところで「これって異世界裏稼業シリーズのフォーマットに当てはまりそう!」と閃いて、このシリーズの一編として書き始めたのです。

 ただし、最初に想像した『遺族感情』だけでは起承転結が成り立たないと思ってしまい、他にも書いておきたい内容がいくつも出てきて‥‥‥。ちょっとした思いつきから書き始めた物語だったのに、約19万文字という、かなりの長編になりました。


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『私が愛した女騎士(『異世界裏稼業 ウルチシェンス・ドミヌス』外伝:エピソード0)』

https://kakuyomu.jp/works/1177354054890308307


【一言】

 異世界裏稼業シリーズ前日譚。


【執筆】

 2019年7月9日から8月24日。


【初出】

「カクヨム」2019年7月16日から9月1日。

(2019年10月9日から11月4日にかけて「小説家になろう」に、2020年6月17日から7月13日にかけて「エブリスタ」に、2020年9月13日「ノベリズム」に転載)


【生まれた経緯】

 カクヨムで「オーバー30歳主人公コンテスト」なるものが開かれると知った時に、文字数的にも合致する『異世界裏稼業 ウルチシェンス・ドミヌス(1)「桃色の髪の少女」』を既に別のコンテストに出してしまっていることを後悔しました。

 そこで、群像劇的要素を少し減らして『オーバー30歳』の主人公に焦点を当てた物語として新たに構想したのが、この作品です。今まで文字数の上限も下限も決まっているコンテストに応募する場合は、完結済の作品から合致するものを選んで応募していたのですが……。

 今回はゼロから作り上げる状態。さて、うまく規定の文字数に収まるでしょうか。

 ……そんな気持ちで書き進めた結果。規定の範囲内にはなりましたが、想定以上の文字数になってしまいました。こじんまりとした話のはずなのに、まさか「桃色の髪の少女」よりも長くなろうとは!


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『異世界裏稼業 ウルチシェンス・ドミヌス(3)「神託の巫女」』

https://kakuyomu.jp/works/1177354054894171800


【一言】

 異世界裏稼業シリーズ第三弾。


【執筆】

 2020年2月12日から3月24日。


【初出】

「カクヨム」2020年3月10日から3月26日。

(2020年9月14日から9月25日にかけて「小説家になろう」に、2020年9月19日から9月20日にかけて「ノベリズム」に、2020年9月21日から10月24日にかけて「エブリスタ」に転載)


【生まれた経緯】

 この物語の構想自体は、かなり前からあったと思います。例えば、二作目の感想(2019年6月12日にいただいたコメント)で、少年の登場の唐突感を指摘された際、以下のように返信しているくらいですから。


>今後キョウ(ケン)をメインにした物語として「一作目で言及した二大宗教の設定の中で『巫女』という言葉を出している。ならば巫女の神託みたいな形で『別の世界』の様子が夢に出てくる、というゲストヒロインはどうだろう? そのゲストヒロインが夢の内容を占い師ゲルエイに相談する。ゲルエイは『これはケンの世界では?』とピンときて、彼を召喚する……」というような構想もあるのですが、こうやって状況を整えてやらないと物語に関われないのでは、キャラ設定に無理があったのではないか。少し反省しています。


 本作品を読んでいただければわかると思うのですが、ほぼ基本プロットは固まっていた感じですね。とはいえ、最初の構想とは方向性を大きく変えているのですが……。それも実はシリーズ作品でいただいた感想に基づいて、思いついたことだったりします。

 そんなわけで、いつでも書き始めることが出来たはずの、この作品。なまじ「いつでも出来る」と思っていたせいか、なかなか始めなかったのですが……。その執筆スタートが2020年2月となったのは、どうせならばコンテスト応募作品にしてしまおうということで、カクヨムで告知されたコンテスト(締め切りは4月1日)に間に合わせるように、書き始めたからでした。

 ところが途中モタモタしていたために、間に合うかどうか怪しくなり……。そんな中、今度はカクヨムで「限られた期間内に出来るだけ多くの文字数を投稿しよう」というイベントが発表されました。そこで、いつものように「ほぼ書き上げてから投稿開始」の予定だったのを急遽変更して、まだ原稿が半分も進んでいなかった段階で投稿スタート。お尻に火がついたような気分で執筆ペースを上げて、なんとか三月中に完結した次第です。


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『異世界裏稼業 ウルチシェンス・ドミヌス(4)「復讐屋 vs 殺し屋」』

https://kakuyomu.jp/works/1177354054895318402


【一言】

 異世界裏稼業シリーズ第四弾。


【執筆】

 2020年4月10日から5月24日。


【初出】

「カクヨム」2020年5月4日から5月27日。

(2020年9月26日から10月1日にかけて「小説家になろう」に、2020年9月27日「ノベリズム」に、2020年10月25日から11月16日にかけて「エブリスタ」に転載)


【生まれた経緯】

 この作品も構想自体はかなり前だった気がしますが、2019年の秋以降であることは確実です。というのも「私が愛した女騎士」があったからこそ思いついた内容だからです。そうなると、少なくとも、三作目の構想よりは古くないのでしょう。

 初期構想では、最終話ラストの内容を真ん中あたりに持ってきて、そこから第二部が始まる予定でした。もちろん、その場合は、その手前にあるいくつかの場面が第二部へ移るので、単純に二倍の長さになるわけではありません。それでも「長くなり過ぎる」と判断して、そのプランは放棄しました。結果的には、これほど短くなったのですから、むしろ放棄したプランに沿ってプロットを立てて執筆したら、ちょうど良い長さの作品になったかもしれません。

 そうやって第二部を放棄して、プロットを固めていった段階では、モノクを主人公にするつもりでした。一作目がピペタ、二作目がゲルエイ、三作目がケンを主人公として、これで四人全員に一度ずつ主人公が行き渡る、という形です。

 モノクの話から始める形で、第八話の内容が最初になるはずでしたが、モノク関連の事情をいきなり明かすのは面白くないと考えて……。

 実際に書き始めた段階では、現在の第二話が第一話でした。ただし、これはこれで地味な内容から始まるので、読者がふるい落とされると判断。現在のように「とりあえず開幕はバトル」という形になりました。

 なまじピペタのエピソードから始めたことで、主人公はモノクではなくピペタのような感じになったことは、少し残念です。


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『投げナイフの美女 ――夜は殺し屋――』

https://kakuyomu.jp/works/1177354054923140172


【一言】

 スピンオフ短編。


【執筆】

 2020年5月24日から6月1日。


【初出】

「エブリスタ」2020年6月4日。


【生まれた経緯】

 他サイトの小さなコンテストで「イケメンヒロインが登場する物語」というテーマがあったので、異世界裏稼業シリーズのキャラクターを用いて書いてみました。チーム四人で裏仕事をするのではなく、殺し屋モノク一人だけが裏で働く物語です。

 応募規定は5,000文字以上(20,000文字までの内容で選考)ということだったので、もっと長く書いても構わなかったのですが、短編として仕上げようと考えた結果、このような形になりました。それでも「登場キャラを絞って悪役側の物語も省くと、これほど短くなる」というのは、私としても驚きでした。

   

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