人類絶滅計画

井湧敬一

静かなる攻撃

 銀河系の中心に近い某惑星に生息している、地球人類より高度な科学力を持つエイリアンが、別荘星となる惑星を探していた。そのエイリアンが見つけたのがここ、地球だった。


「ここがそうなのか」

「そうです。しかも我々に必要な窒素も水も十分です」

そう、彼らは地球人が酸素で生活している様に、窒素で生活しているのだ。


「で、この星には高度な文明を持つ生物はいないのか」

「いえ、我々の足元にも及ばない程度の生物が、我が物顔でこの星を支配しているようです」

もちろん、それは地球人類の事だ。


「では、この星を制圧するには無傷と言う訳にはいかないのか」

「大した被害にはならないという試算は出てますが、それ以上に我々が恐れているのは、奴らの持つ、核という兵器です」

彼らにとっても放射線は脅威である。


「それを使われたら、この綺麗な星が台無しだな」

「はい、それで今回の計画なのですが」


 彼らの計画の全容ー

まず、ウィルスタイプのナノマシンを大量に地球に投下する。そのマシンは人類だけに寄生するようプログラミングする。そのマシンは人類の体内で自身の複製を作成する事が出来るため、全身に転移し、最終的に人類を死に追いやるというもの。


「どの位で完了するのだ?」

「そうですね、少し時間が掛かりますが、寄生されたら10年程度で絶命するものと試算しております」

「よし、70憶のナノマシンを投下し、人類一人に一体ずつ寄生するようにしろ」

「了解です」

 

 かくして、人類絶滅計画は実行に移された。


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