第43話 犬にお辞儀

皆さん、寒いですね。


この時期ある道を運転すると思い出します。


夕方家に帰る通り道。

通りすがりに息子の後ろ姿を見つけました。

細い住宅地の道で速度もゆっくりだったし乗せて帰ろうか、と思った瞬間でしたが。

びっくりして通り過ぎてしまいました。


バックミラーで確認すると…息子と茶色の柴犬を連れたご婦人が話していて、何故か息子は柴犬に向かってお辞儀を繰り返してました。


何故犬に挨拶を?


しばらくして帰宅した息子に

「さっき見かけたんだけど…なんでワンコにお辞儀してたの?」と聞きましたら


あの女の人、いつもはおじいちゃんが犬の散歩をしてたんだけど急におじいちゃんが調子が悪くなっちゃって散歩に行けなくなったんだって。

それで自分が行く事になったんだけど、もしおじいちゃんが親しくしてる人がいたら挨拶しなきゃって思ったんだって。

だから犬の様子を見て気になるそぶりをしたら声を掛けてたんだって。


どうやらワンコの知り合いに認定されてたらしい息子。


それで知り合いかというと…やはり同じ時間帯に出会うため挨拶はお互いしてたそうで。


田舎ですからね、そういうもんです。


犬はよく見ていておじいちゃんの知り合い=自分の知り合いと認識していたようです。


だってあの時真っ直ぐ息子を見てましたから。


それでなんでお辞儀してたのか聞いたら

女の人が少し耳が遠そうで大きな声で話してたので相槌が大きくなったらしい。


丁寧な子だとは思ってたけどまさか犬にお辞儀をするとは…とびっくりした出来事でした。


もう社会人の息子ですがあの道を通る時はお辞儀している息子を思い出します。

まだ学生服着てたね。

懐かしいです。

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