第23話 ハムって思ってごめんなさい

朝早く仕事に出かけた日の事です。

赤信号で前に止まっていたトラックには沢山の豚が乗ってました。

「あ、豚だ」

独り言です。

トラック一杯に乗った豚は皆こちらにお尻をむけていました。

見るともなく豚のお尻をぼんやり眺めていると悪い気持ちがむくむくと…


「やっぱ、ハムかな」

ああ嫌な奴。

「どこがソーセージになるのかな?」

人間がどの動物にも食べられないからといって動物に対して失礼でしょう。

そんな気持ちの視線が伝わったのかしばらく後ろをついて走っていたところ…


「ん?」

気がつくと一匹の豚がこちらを向いています。


次の信号で止まった時は振り向いた豚は3、4匹に増えてました。どの豚もこちらを向いて怒っているようです。


「ひ〜」どうしよう、豚を怒らせてしまった…。


とりあえず前の車から距離を取りましたが信号も等間隔にあるのでその度に豚に威嚇され続け、最終的に後ろの列の豚は皆こちらを向いて私を威嚇してました。


結局会社の近くまで一緒に走って来ましたが威嚇されたままでした。


あの時の豚さんごめんなさい。


残さないで美味しく食べますから許してください、と反省した私でした。









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