第6話 う・わーん

 先日、子供の薬をもらいに皮膚科に行ってきました。

いつも混雑している駐車場ですが一応第一駐車場を覗いてみます。

大抵一杯で少し離れた第二駐車場に停めることになります、その日もそうでした。


 薬をもらい終わって駐車場に戻って来ると大きなバンの横から小さな男の子がピョコンと顔をのぞかせました。

キャラクターデザインのTシャツにサンダル。

まだ三歳くらいかな、と思った瞬間・・・私を一瞬見てうわーん!と大泣きされました。びっくりです。


大方下の子の病院に付き合うのが嫌で駐車場で駄々をこねて置いてかれたのか、または勝手に車まで戻ってきちゃったのか。

しかしあぶないだろう!

私も少し前までそっち側の人間でしたが子供が大きくなり立派なオバサンになったのでお母さんを叱りたくなりました。

もしこの前何もなかったから今日も置いていっても大丈夫だろう、と思っているなら・・・その驕りに腹が立ちました。

彼が車道に飛び出して車が撥ねたら二重の不幸です。

正直運転者が不憫です。

しかし大泣きしてる彼をほおっていくわけにもいかず

「ママは病院?」と聞くと

あっさり泣き止んでコクンとうなづきます。

「そかー」と言いながらしゃがんで

「一人で待ってたの?」と聞くと

またコクリとうなづきます。

そうか、寂しくなっちゃったんだね。

この皮膚科は結構人気があるから時間がかかります。

「困ったねえー」と言いながら彼を見るとすっかり泣き止んで、なんとかしてくれると期待に満ちた目でこちらをガン見しています。

仕方ないなあ。

「上の名前は教えてくれる?病院にいるママに迎えにきてもらおう。」

無言です。

まあ想定内ですよね、見ず知らずの人に名前をホイホイ教えてくれたらそれは恐ろしい(苦笑)


結局病院に電話して受付のお姉さんが迎えに来てくれることになりました。

一応彼の面子も考えて

「病院のお姉さんに来てもらおうね、電話するよ。」と断りを入れて。

最近のママは放置なのか、自由にさせて平気なのか、ちょっと心配になった出来事でした。












  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る