No.6-10
私セシリア・ハルフォードとその兵士セシーリア・オルヘスタルとの出会いは、概ねそのようなものであった。
私達は、出会ったその時から互いの顔に何処か見覚えのある感じがすると言い合っていたのだが、この密林の中で行動を共にして一日と半分が過ぎた頃に、その理由に気が付いた。
つまり、私達二人の顔は驚くほどよく似ているのだ。
それだけではない。背格好も二人はそれなりに似ていて、私が航空兵で彼女が歩兵であるというところから、筋肉の付き方は互いに少しずつ違うが、もし仮に私達二人が同じ服を着てしまえば……多分、見分けはつかないであろうと思われた。
名前にしても、私のそれがセシリアで、彼女がセシーリアなので、読み方が少し違うだけで、恐らく綴りはどちらも同じものであろう。
私は、自身が航空兵であり、被撃墜の後に機体から脱出した経緯を彼女に説明した。
彼女は答えた。
「なら、私がお前を本部まで連れ帰ればいいわけだ」
彼女は前線に置かれた司令部から単独での長距離偵察を命じられているそうで、自軍の航空兵の回収も任務のうちにあると言った。
そうして、私は彼女と共に行動するようになった。
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