第33話 ツンデレ美少女とイチャイチャ

鈴木「食堂でひとりご飯。誰にも気を使わなくて、これが楽でいいわけです。そんな俺の前を、不自然な歩き方で通り過ぎて行く校内一の美少女こと田中明彩さん。右手と右足が同時に出てます……。少しすると、今度は後ろ歩きで、前を通り過ぎて行きました。何度もそれを繰り返しているので、だんだんとご飯に集中できなくなり、ついに声をかけたわけです。」


鈴木「あのお! ウロウロ、ウロウロ何か用ですか!?(言ったとたんに、明彩さんはオムライスを俺の前の席に、スタッ、と置きました。えぇぇぇえええ! それから、超早口で――)」


明彩「――鈴木君が一人でご飯食べるのつまらなさそうだから一緒に食べてあげる。」


鈴木「(早口すぎて聞き取れなかったんですが……。でも、頬がオムライスのケチャップみたいに赤くなってて、見てる方もドキドキしてきます。そして、小さな口を、大きく開けててパクパクと幸せそうに食べています。可愛いい。ふと、目が合いました。)」


……

………………


……

………………


明彩「……ひとくち食べたいぃの?」


鈴木「(ちょこんと首をひねるその仕草を見ているだけで、何故だか鼻血が出そうです。)」


明彩「し、仕方ないから、あ〜ん、してあげてもいぃよ」


鈴木「(積極的な一面もあるようです……。」


明彩「あ〜ん」


鈴木「(もぐもぐ。こんなに美味しいオムライスは初めてです。ってか俺――今青春してますけどおおお!!!)」


バッシン――!


鈴木「(突如、食べさせてもらったスプーンが、刀のようなもので切られ、一気に甘々ムードが消え去りました。)」


涼葉「イチャイチャ楽しそうね。私も仲間に入れてくれる?」


鈴木「(見上げると、刀のような鉛筆をさやにしまう涼葉さんがにっこりと笑っていました。……いや、その笑顔めちゃ怖いんですけど。……これが同じ田中さんだとは到底思えません……。)」

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