外は百合に中はインドアで

立花戦

プロローグです!

くっ、追い込まれた・・・あっ!

これ、おいしい。

学校の階段を駆け上がりながら

なぜかカレーパンを口に加え

黒髪が長く舞う小柄の少女。


(くっ、夜遅く小説を読んでいたのが

不味まずかったか・・・でもカレーパンは

美味しい。あっ、でも早く食べないと

誰かに見られる!)


少女マンガの

古典的なアレは羞恥だから

校内に入って袋を開けた。

・・・それに、イケメンさんと

イベント発生率よりも普通に

パンを加えた古典的な姿が恥ずかしいし。


「ンンッ!?」


(ここまで、走って息が苦しい!!

カレーパンが口にあって苦じいぃぃぃ!?)


その前にどうしてわたしはこんなことを

気づかなかったのわたしよ!!

踊り場に着くと息を整える。

カレーパンを全部、口に入れる。


(よ、よし・・・行こう!)


まだ、口いっぱいカレーパンと

格闘中しています!

ゆっくり走りますこれで、先みたいに

息苦しくならないはず。

踊り場の窓から陽光が差し込んでいて

惨めになってくる。


(この背後の光がわたしを輝かせる・・・

と浮かれ春和景明しゅんわけいめいなんて考えていたことでしょう。だが、4月18日になれば現実が見えるからなぁ)


蒲池亜季は、特に目立つような

高校デビューを盛大に失敗やトラブルなどしていない・・・はず。

ただ、えーと生まれつきのコミュ障が原因で色々とあった。

階段を上りきり次は三階の廊下の

短距離です。

曲がり角の右に曲がろうとして

衝突する。


「キャッ!?」


「んー!?」

カレーパンで言葉が・・・


まさか曲がり角でぶつかりました。

でも声は可愛いかった。

わたしはおしりを地面につき

バタッと何かが落ちましたが今はぶつかった

相手の方に謝ること。


「ご・・・ゴンンン。」

まだ、カレーパンがあって言葉が!


「だ、大丈夫?」


手を差し伸ばされ、わたしは少し

躊躇ちゅうちょしながら掴む。


「・・・・・」


頬張り中なので相手の顔を見て会釈・・・

あれ?白い髪の美少女だ!

腕を引かれわたしは立ち上がり彼女の

容姿をじっくり見ます。


(ス、スゴイ幻想的・・・・・

白い髪はグルグルでつまり

ウェーブ巻きの肩が届く直前

ボブヘアーで目は日本人だと

見て分かりますけど・・・・・)


「ど、どうしたの?どこかケガをしたの?」


カレーパンを急いで飲み込む。


「あっ、いえ大丈夫です。

・・・すみませんつい見惚れてしまい

ました」


「ふぇ、みとれた!?」


顔を赤くなって、口をパクパクする。

もしかしてスゴく可愛いのに

慣れていないのですか!

アニメの美少女キャラですか!!

肌は雪をあざむくほど美しく、

目は大きく濁りがない澄んでいるのに。


「えーと・・・なにか食べている?」


「あっ、はい。カレーパンです。

コンビニとはいえ、美味しいです。

特に具が多くないから食べやすくって

・・・はっ!す、すみません。

長々と」


遅刻しているのになにをやっているのだろう

わたしは。


「いえ、カレーパン好きなんだね」


「いえ、実はそんなに好きじゃない

んだよねぇ」


「そ、そうなんだ ・・・」


相手を困らせて苦笑しています。

ごめん、わたし思ったことを途端に

出てしまうので。


「あれ?」


可愛い人の

疑問の声に視線は下に向いています。

そこを見ると・・・二つの本が落ちている。


「あっ、同じ本!」


も、もしかしてわたしは鞄を見ると・・・

開けっ放しで愛読書が落ちていました。


「同じ本・・・もしかして好きな本?」


「えっ、あっ、はい・・・」


尋ねられ答えましたが・・・なんだか

恥ずかしいです。

この本が【素敵な百合ライフ】という

百合系のマンガだからでしょう?


「そうなんだ。図書館で借りたけど

面白いのか楽しみなんだ」


「そ、そうですか」


わたしはアニメショップで購入したと

心の中で答えます。


彼女は落ちた二つの本を広う。

図書館で借りたとは、装丁に図書館の証しと

いうのか貼っているのがあって

どっちがわたしのか彼女のか

一目瞭然です。

彼女はわたしの本をホコリを落とす。


「はい!」


「あ、ありがとう・・・」


受け取った本を鞄に入れもう一度お礼を

しようと顔を向きます。


「ありがとう。」


「別にいいよ。それじゃあ

早く行かないと遅れるよ!」


つややかな白髪の彼女は走って、

わ、わたしも急がないとおくれる!!

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