誕生日!①
4月24日、俺は無事に16歳の誕生日を迎えた。とはいえ、この日は何もない平日。朝起きても特に変わったことはないと思う。朝起きて、顔洗って、歯を磨いて、朝食を食べて、寮を出て、普通に学校へ行くだけだ。目を覚ました俺はトイレを済ませ、顔を洗い、歯を磨き、そして寮の食堂に向かう。すると・・・
「優(優くん・優っち・優さん・お兄ちゃん)、お誕生日おめでとう!!!」
いつものように寮の食堂に上がった俺にかけられたのは、姉と妹、そしてアイドルからの誕生日を祝う、熱い声援だった。
◇ ◇ ◇
朝食を食べ終えるといつものように寮を出て、学校に向かった。学校ではまず、野球部の朝練を1時間ほど行い、その後は普段通り授業を受ける。そして昼食を食べ、午後からは再び授業を受ける。夕方になったら部活を4時間みっちりとやる。結論から言えば、この日、俺は誕生日であるにも関わらず、特に何もなく1日を過ごしたのだった。
夜8時、部活が終わった俺は安達からLINEがあったことに気がついた。そういえば朝、「今日は優くんの誕生日だね。おめでとう。夜になったらみんなでプレゼントを用意するから、楽しみに待っててね」と言っていたな。
部活を終えた俺は真っ先に寮に帰り、メンバーは全員もう寮に戻っていた。そしてすぐ、食事の時間だ。夕方から4時間、みっちり体を動かしてきたので完全にお腹はペコペコ。ちなみに、今日の夕飯は早川さんと尾関さん曰く、俺の誕生日を記念する特別なメニューだそうだ。そして俺が夕食を食べ終えると・・・
「優くん、みんなからプレゼントがあるの!」
俺は安達から声をかけられた。そして俺はみんなから誕生日プレゼントを貰う。松永からは野球のグローブを、尾崎からは野球のバットを、そして安達からは俺が好きなプロ野球チームの帽子と好きな選手のユニフォーム(いずれもプロモデル)を貰った。
誕生日プレゼントを貰った俺はすぐ風呂に入り、その後はすぐ自分の部屋に戻った。部屋は誕生日プレゼントであふれかえっていた。そして時刻は夜の11時になろうとしていた。もういい加減クタクタだし、そろそろ寝るか・・・と思っていた頃、安達が俺の部屋にやって来た。
「・・・ったくこれから寝ようとしていたのに何の用だよ。人の部屋に入る時はノックくらいしろ。それに風呂はまだ入らんのか?」
「風呂はこれから入るよ。それに私からのプレゼント、どうだった?」
「うん、ありがとう。大事に飾るわ。俺がめっちゃ尊敬する選手のユニフォームだから大事にとっておきたいし」
「それは良かった・・・」
「あ、そういえば来週は安達の誕生日だったな」
「うん、5月1日だよ」
「誕生日プレゼント何がいい?」
「何でもいいよ」
「そっか。なら当日まで秘密にしていいか?」
「うん。優くんがくれた物なら何でも嬉しいから」
「ありがとな。なら、当日までのお楽しみだぞ」
「そうだね。わかった」
俺は安達との会話のやり取りを終えると、そのまま眠りについた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます