第2話「呟怖2」

第一話「避ける」


 バスの中で明らかに人ではない者を見てしまった


バスの中央、着物を着た女の子が、手に血塗れの手毬を持って立っていた


絶対にヤバい


直ぐにボタンを押し、その娘の横を通り過ぎ急いでバスを降りた


直後、後ろに気配がし振り向く


あの娘がいた、ニタニタしながら口を開く


何で避けたぁぁ?





第二話「ズットイッショ…」


『キョウカラズットイッショダヨ!』


抱き上げた人形から、機械音声が鳴った


「私これがいい!」


娘は大層気に入ったようだ


早速人形を持って売り場のレジへと向かう


財布を取り出しながら、


「この喋る人形、娘が気にいったみたいで」


と俺が言ったら、店員が


「これ…喋りませんよ?」




第三話「お盆帰り」


 御盆に帰省した時の事だ


沢山の人が集まった、中には知らない遠い親戚の者もいたが、場は宴会騒ぎとなった


翌日、二日酔いに悩まされつつ昨日の事を爺さんに話すと、昨日は自分と婆さん、そしてお前だけだったと言われた


それを聞いて俺は苦笑し、昨日帰って来てたんだなと、一人納得した




第四話「湖畔」


 湖畔でキャンプしていた時、ふと目が覚めテントから出ると、目の前に異様な光景が広がっていた


水面から無数の腕が生えていた


しかも花の様にユラユラと漂っている


愕然としていると、腕は突然狂った様に水面を一斉にバシャバシャと叩き出し、こちら目がけて迫ってきた


無我夢中で逃げた…




第五話「カカシ」


 田んぼで兄と遊んでいると、カカシを見つけた


そのカカシを弄って遊んでいたら、兄がカカシの首を折ってしまった


慌てて逃げるようにして家に帰ったその夜、兄が家から消えた


翌日、昨日遊んだ場所を探していると、田んぼの真ん中に首の折れたカカシと、兄と同じ服を着たカカシが立っていた…




第六話「拾う…」


「お帰り母さ…また拾ってきたの?」


「ただいま優君、ごめんね、見過ごせなくてつい…」


「ただいま~」


「あらお父さん、おかえりなさい」


「ん?お前また拾ってきたのか?」


「ごめんなさい…」


「はぁ……」


うちの母さんは直ぐ拾ってくる癖があって困ってる


あ、犬猫ではなくて…

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