くだらねえ世界
激しい銃撃や爆撃が続いている
瓦礫を背に終わり際のシケモクをふかす
最後の一本だった
「よお、生きてるか?生きてたら煙草を一本分けてくれよ。」
無線で語り掛ける
返事はない
「ちっ、俺以外全滅かよ。」
不甲斐ない部隊だ
腕が立つっていうから参加したというのに誰一人として生き残っちゃいない
アサルトライフルが一丁、拳銃が二丁、残弾はライフルのマガジンが二と拳銃が二だけ
あとは自決用の手榴弾が一つあるだけだ
咥えたシケモクが燃え尽きようとしている
「命捨てるなんて簡単だ、なら俺は難しい道を進むね。」
誰が聞いてるわけでもなく独り言が周囲に響く
そう命を投げ出すのは一瞬だ
しかし、命を守り生き続けるというのは一生なんだ
容易ではない、ましてやこの状況で生き抜くなんてのはどんな怪物や悪魔だとしても難しいだろう
そんなことを考えながら吸い殻を口から離した
「くそったれな世界でくそったれな人生だった。だからこそ死に際ぐれえはくそったれにしたくねえのさ!」
自分を鼓舞するように大きく声を出す
脳内麻薬も相まってなんでもできるように感じてくる
煩いほどの銃撃と爆撃は次第に耳に入ってこなくなった
一歩踏み出しそのままの勢いで正面を駆ける
(くだらねえ、何もかもくだらねえ。神様よお、俺はなんで生まれてきたんだろうな。)
神なんて信じていない
それでも聞きたくなった
最初で最期の質問を
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます