終わり

回り回る

カチッカチッと歯車のように少しずつ、それでいて正確に

それは一定で、それでいて毎日変わらずただ意思もなく回り続ける

彼らに疑問はない、回ることが普通なのだから

意味を理解することなくただ回る

止まったのならば直す

それは世界に支障が出るからだ

油を注すなり解体し壊れた歯車を新しいものに変えるなり色々だ

だがそれは正しいのだろうか?

直すことで世界はまた回りだす

回ることが正しいのだろうか?

止まったということはそれは終わったのではないだろうか?

油を注してもそのうちまた止まる、また油を注しまた止まるを繰り返す

新たな歯車に変えても他の歯車が壊れまた変えそれを繰り返す

延命させ、生き永らえさせ続ける

自然の摂理に反するのではないか?

人工ならば自然の摂理は関係ない?

直る限り生かし続けることが出来る

その行為は恐ろしいことではないか

彼らは終わりたがっているのかもしれない

必ずしも延命が良いことではない

それは世界も同じだ

終わるべき時が存在する

だがそれでは困る要因が延命させる

正しい時もある、間違っている時もある

当事者がどう考えているかさえわからない状態もある

終わらないことは素晴らしいかもしれない

回し止まれば動かし回し続ける

終わることは素晴らしいかもしれない

止まればそのまま劣化せず残り続ける

終焉の美学も存在するのではないだろうか?

一種の破滅主義だと思うだろうか?

しかし彼らに意思があれば止めてくれと言うかもしれない

ここで終わることが美しいと、天命だというかもしれない

終わりは必ずしも悪いものではないと思う

彼らも休ませるべきなのかもしれない

我々も休むべきだ

美しく終わるために

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る