アントニオ悩む
アントニオは夕闇の中を歩いていた。
フランチェスカは、今夜は賭場に出かけている。
べつに心配ではない……そこに、ロリタが乗り込んでいなかったらば。
先刻自分にとんできた知らせを聞いて、アントニオは眉を寄せざるをえなかった。
なんでも、フランチェスカとロリタで不埒なゲームを行っているらしい。
フランチェスカも、あれで節度を保っているから無茶はしないだろうが――。
どうするべきか。
家で落ち着いてもいられず、アントニオは様子を伺いに自然と賭博場へと足を向ける。
道中、数人の役人が慌ただしく隣を過ぎていった。
考え込むあまり最初は気に留めていなかったアントニオだったが、はたと気づく。
通り過ぎていった役人の顔には心当たりがある。嫌な予感がして、アントニオは空を仰いだ。
そして頭をさげて首を振ると、進路を別の場所へと変えたのだった……。
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