輝ける僕のステラ

荒城美鉾

輝ける僕のステラ

「あの星が欲しい」

 彼女はよくそう言って、僕や周りの大人たちを困らせたものだった。

 やがて成長した僕は一個師団を率いるまでになった。そう。彼女の願いを叶えるために。なぜならば、彼女こそが僕の星だったから。

 そして彼女はその願いに大義名分を与えることに成功した。

「かの星を得よ。あの星からは貴金属が産出するはずだ」

 この星団の女王に彼女は無事相成ったのだ。

 時は経ち──彼女はもういない。

『星』になった彼女を思う僕は、その墓標の前に立つ。

 傍らの小さな少女は、この星の第一皇女、名をステラ、星という。

「父様、母様は幸せだったかしら?」

 もちろんさ。輝ける僕らの娘。

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輝ける僕のステラ 荒城美鉾 @m_aragi

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