1995

フランク大宰

1995

1995年は私にとって、とても良い年でした。あの頃のミラノは治安が良かったんですよ。


 こう言った彼女は60は近いであろう風貌であった。

たしかに、24年前は彼女も若かったのだろうし、ミラノも美しい所で、彼女も土地の生活を満喫していたのだろう。

 個人的には1995年は嫌な年であったような気がする。

阪神淡路大震災に地下鉄サリン事件、そしてばか騒ぎしたバブルと呼ばれる時代の跳ねかいりが生じていた。

世紀末は刻一刻と近づいていて、真面目に1999年に世界が終わると信じていた人々もいた。

しかし、まぁ、あまりに大昔のことだよ、霞んでいてよく見えない。


 ある人が私に2006年10月11日午前10時26分は二度とやってこない、我々は時間を噛み締めて生きるべきだと、晴れた空の下言った。


  そうね、そういった考えを持って生きれたら素晴らしいかもね。

でも、残念ながら私には不可能な生き方だった。

今だって耳に聴こえる、時が足早に通りすぎていくのが。

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1995 フランク大宰 @frankdazai1995

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