struggle for……

BATTLE1

――ズシン! ドシン! ドシン!

 開始の合図と共に地面からデカい立体物やら建物やらが私らを分断する様に幾つも生えてきた。

 多分これを遮蔽物にして鬼ごっこでもやれって事だろう。ご丁寧に武器弾薬もバラ撒かれたしな。

「あー面倒くさ」

 こちとら格闘戦がしたいってのにこれじゃあ近寄れん。しかもLの事だから真面目にこの状況とらえてる筈だ。

 まぁとにかく武器を拾おう。幸いまだLは見えていない。索敵しつつ武器を集めて接敵に備えるのが常道だ。

「どこぞにあったゲームそっくりだぜ」

 アサルトライフル、ショットガン、ハンドガン、スナイパーライフルを適当に集めた後、聞き耳を立てつつ小高い場所から望遠鏡で辺りを探る。

 恐らくだがLは迂闊に近づいては来ないだろう。真面目ちゃんだし。……その真面目さってのは薬のせいなんだろうがな。

 だがずっと何も動きがないのはしんどいものがある。カモフラージュしつつ所謂芋スナ状態だが退屈っちゃ退屈だ。

「あーちくしょー。これがL相手じゃなけりゃカイトと話でもするか音楽でも聞くかなんだがなぁ」

 そう。いつもの更に退屈極まりない仕事ならそれでもいい。だが今回は相手が違う。多少なりとも慎重にはなるもんだ。


 だが……


 ちょっと待てよ? Lがもし私と同じ様な考え方してるならこの状況はよろしくない。

相手も私も動かんのなら日が暮れちまう。コイツは困る、何にも楽しくないからな。

「仕方ねぇ、いっちょやりますか!」


――ピンッ……ドォン! ドォン!


 まずはご挨拶にグレネードの花火を上げる。これでLに私の位置を割らせばいい。早い話が目立つ行動をするってだけだ。

 その上で……


――ダダダダダン! ダダダン!

「L! どこだ? 出てこいよ!」

 鉛弾をバラ撒きながら辺りを探索。能動的に行かねぇと多分Lは見つからない。

 全く良い子ちゃんはコレだから困る。こっちから仕掛けないと動かないんじゃあまだまだだぜ。

 ……と?

――ヒュン! キンッ!

「うおっ! 危ねぇ危ねぇ。遠距離狙撃か……なかなか上手いんじゃねぇの」

 おまけにもう撃ち込んできたところからは離れたと見える。流石といったところだな。

 しかし狙撃のせいでアサルトライフルが使い物にならなくなっちまった。適当にまた拝借しねぇと。

 さて、まだまだ騒ぐかねぇ。


――三時間後

「はー、そろそろ行けるか?」

 三時間、とにかく暴れ回ってLの行動パターンを割り出した。

 奴は常に一定の距離を保ちつつ、必ず私の背後を取るように動いているといっていい。

 ならばそれを利用するまで。


「よし、行くぞLよ」


 久々に鋼糸の出番だ。



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