Calling6 潜入
――ガンッガンッ、ガコンッ!
「おーさっっっむ! なんで毎度毎度クソ寒いとこにしかねぇんだよ! この手の研究所ってのはさぁ!」
『仕方ないですよ。そんな所じゃないと情報は守りにくいですし』
オペレーターから通信。私を超える奴ってのの情報探してたらこの研究所を付き止めたらしい。しっかし寒いぞココは。
『ケイト、大丈夫?』
「大丈夫だけど寒ぃわ。カイトに抱き着いて温まりたいぜ」
『むぅ、そんな軽口叩けるなら心配なさそうですね。ボクは引っ込んでます』
「あ"あ"あ"あ"あ"行かないでくれえええ」
こちとらカイトとの通信だけが楽しみで潜入してるんだ。いやまぁ、奴の情報が欲しいのは事実だけどそれとこれとじゃワケが違う。
『なんてね、オペレーターさんと一緒にサポートしますから』
「ホッとしたぜ……ん、ちょっと通信切るぞ。すぐにかけ直す」
『えっ……あ、そっか。待ってますよー』
「んじゃ」
――ピッ
なんで通信切ったかって? んなもん分かるだろうが。アレだよアレ。寒いから仕方ねぇだろ? カイトが居ねぇなら繋げっぱなしでもいいが、居るから切ったのさ。
さっさとすませてかけ直す。
――ピッ
「あーOKだ。今から進行する」
『サポートはカイト君が、解析は私がやりますので』
「はいよ。とりあえず今いる地下搬入口からメインコントロールムーム行くわ。外からアクセス出来なかったんだろ?」
『はい。どうやらそこだけスタンドアローンみたいで……正確な地図も無いですが』
「あー、それは進みながら情報送るわ。幾らか集まりゃ出せるだろ?」
『もちろん!』
よしよし、カイトの調子も良い。先ずは先に進むとしよう。今のところ監視員、監視カメラ、哨戒の姿も気配もない。搬入口はザル警備な様だ。センサー類も無いってのは流石にどうかと思うぜ……
まぁ一応なんかのミスでバレたら面倒くさいんでちゃんとやる。それにカイトも見てるしな。
「ん? なんだこりゃ?……」
走ってたら変な扉に行く手を阻まれた。あんまり見たことない形してるな。こいつぁ下手に触ると厄介かもしれん。カイトに聞こう。
『どうしました? あ、その扉は。ケイト、近くに何か端末は?』
「んーっと、ああ、このデジタルロックキーなんかどうだ? 見た感じ電気は来てるが使われてなさそうだぜ?」
『OKです。じゃあ早速……』
無線の向こうでカイトが何やら弄っている。オペレーターが口出ししてないあたりカイトも成長したって事だろう。そんな事考えてたら扉が開いた。
『ふむふむ、あまり手応えはありませんでしたね』
「お見事〜んで? こいつは何だったんだ?」
『それはですね……』
話を聞けば何とこの扉、開けると閉まる。カギで開ける分には何の問題もないがハッキングして開ける為には同時に二つの事をしつつ、ミス無く開けないと閉まってしまい、セキュリティに引っかかるらしい。何とも面倒くさい扉だ。
ま、とにかく先へ進もう。
「サンキュー、カイト。んじゃガンガンいくかねぇ」
『はーい。がんばれ〜!』
うっはー! 犯罪的応援! やるしかねぇな!
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