第2話 海野莉奈の話(1)

今日も面倒臭いなと思いながら大学へ向かう。

その時、後ろから声をかけられた。


「莉奈、おはよ!」

「あ、愛美。おはよう」


声をかけてきたのは同じサークルに入っている内田愛美(うちだまなみ)だった。


愛美はいつも笑顔でみんなから好かれている。少々八方美人の気質があるが、可愛らしく憎めない。


一方で私は他人になかなか心を開けないタイプで、愛美に対しても少し距離をとって接していた。


「もうすぐ冬休みだね」

いつもの笑顔で愛美が言った。


「ね、でも冬休み終わったらレポートとテストが…」

「そういう事言わないでよー」


いつもしてるような普通の会話。


こんな普通が続くと思っていた。


しかし、冬休みがあけてから愛美が大学に来ることはなかった。

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なぞ。 @rirakuma003

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