『敵対種族』の紹介

<上位五種族>

【悪魔族】

『ガーゴイル』……体長は人間族と同程度で灰色の外皮で人型をしている。頭部には赤い目と短い牙、背中には翼があり、腕には鉤爪も持っている。悪魔族の中でも階級は低く、力も人間族と変わらないが、飛行能力を持っているために厄介とされる。主な攻撃は鉤爪での引っ掻き。


『高位デーモン』……体長は三メートルほど。黒い肌にゴツゴツとした筋肉質の体をしている。背中には黒い筋の中に緑の翼膜が付いた翼。白い牙に赤い角と爪。深紅の瞳。巨大すぎる剣を呼び出すことができる。


【魔獣】

『マンティコア』……体長は五メートル。胴体は赤く、頭部には金色のたてがみと鋭い牙、蠍のような毒針の付いた尻尾、動物的な前脚の先には硬い爪を持つ。標的を定めると攻撃を終えるまで狙いを変えないというこだわりを持っている。討伐した際の懸賞金は銀貨二百八十枚。主な攻撃パターンは前脚爪での引っ掻き、牙での噛みつき、尻尾の叩きつけや振り回し、先端にある毒針での突き刺し。剥ぎ取れる素材はたてがみ、尻尾、爪や牙など。


【魔界アント

兵隊蟻ポーン』……体長は五十センチほど。黒い甲殻に覆われ、頭部には触覚と鋭い刃のような口を持つ。頭部と胴体の繋ぎ目や腹部が急所。自身に意思はなく上位個体の命令によって行動している。攻撃方法は牙での噛みつきのみ。剥ぎ取れる素材は甲殻。


『赤い兵隊蟻ポーン』……通常の兵隊蟻ポーンとは違い、黒ではなく赤い甲殻を持つ。口から魔法属性である火の玉を吐き出して攻撃をする。その火力は高く、直撃を受けると肉や骨まで溶かされてしまう。


司令塔蟻ルーク』……体長は一メートルほど。上半身は人型で前脚が腕のように発達しているため剣を扱える。胸部や腹部にまで甲殻が覆っている。自身の甲殻が傷付いた場合、兵隊蟻ポーンをその上に呼び寄せ盾にする。巣穴の小部屋の一つを統率していることが多い。


女王蟻クイーン』……幅一メートル、高さ二メートル、全長は四メートルもある魔界アントの女王。両腕が鎌になっている。頭部、胸部、腹部、腕部、脚部に至るまで甲殻に覆われている。一つ一つが鱗のようで兵隊蟻ポーンのものとは大きさも厚さも違う。司令塔蟻ルークと同様に兵隊蟻ポーンを傷ついた甲殻の代わりに盾として呼び寄せる。個体の中で唯一火を恐れている。首の後ろに甲殻内の熱を逃がす通気孔を持っていて、それが弱点にもなっている。攻撃よりも卵を守ることを優先する。討伐した際の懸賞金は銀貨百九十枚。両腕にある鎌での連続攻撃をする。剥ぎ取れる素材は鎌の腕、甲殻など。


【竜人族】

『リザードマン』……緑色の鱗、屈強な肉体に尻尾もある。頭には黄色いトサカ。視覚と嗅覚を使い分けて戦う。個体の性格によって扱う武器が異なる。好戦的で自信家でもあるが、武器を失った途端に臆病になり逃げ出すこともある。


『ドラゴニュート』……しなやかな尻尾に、体格に不釣り合いな小さめの翼、ゴムのような筋肉、青い鱗。大きな剣を扱う。翼はあるが空は飛べない。一際大きな声で鳴き、リザードマンたちを統率する。


竜人術士ドラゴニュートメイジ』……黒い鱗に大きな翼。重そうに引きずっている太い尻尾。頭部には白く大きな双角があり、その間から背中へ向かって尻尾の先まで緑の体毛が生えている。体長は三メートルほど。赤くて長い杖を持つ。薄紫色の剣のようなものを地面から突き出す魔法を使う。連射したり、二射同時使用も可能。物理と魔法のどちらも防ぐ障壁を展開もできる。


竜人王ドラゴニュートキング』……体長は三メートルほど。紫色の鱗を全身に持ち、ドラゴニュートよりも大きな翼、しなやかだけど太くゴムみたいな尻尾、赤い目のある頭部には金色の角が四本も生えている。両翼を使って風を起こすこともできる。魔法力もあり、扇状の黒い剣を赤く染めて炎を放つことができる。竜型の盾に魔法力を蓄積することができ、そこから直接剣に供給も可能。


【竜族】

『ワイバーン』……全長八メートルほど。硬い緑色の鱗と強靭な筋肉質の肉体。頭部は角が生えた蜥蜴であり、鋭い爪が生えた太い脚、長い鞭状の尻尾もある。腕はなく、大きな二枚の翼を持つ。空中から急降下して爪で引っ掻いて攻撃をする。翼を羽ばたかせて突風を相殺したり、風を起こして相手の自由を奪ったりもする。


『ドレイク』……口から炎を吐き出す赤い飛竜。強靭な筋肉質の胴体と、腕の代わりに発達した翼。白い爪の生えた大きな脚に、太い尻尾、蜥蜴のような頭には四本もの白い角が生えている。体長は八メートルほど。空中から地上に向けて吐き出す炎の火力は凄まじく、一体いるだけで戦況を変えるほどの存在。


【ドラゴン】

『水竜』……白く巨大なドラゴン。体長は十二メートル。背中は白い外殻、胸腹は白い鱗で覆われている。胴体は太くが、全体的に長く蛇のよう。特に尻尾が長く鞭のようにしなやかな剣状になっている。手足はあまり発達していないが陸上にも適応している。蜥蜴頭に青い双角が白い巨体に映えている。討伐した際の懸賞金は銀貨千二百枚。攻撃パターンは魔法の水弾、牙での噛みつき、爪での引っ掻き、尻尾薙ぎ払い、尻尾叩きつけ、高圧ブレス。


【不死族】

『スケルトン』……地面の中から這い上がるようにして現れる骸骨。目玉のあった場所が赤黒く光っている。自身の体重と同じほどの重さの剣を振り回す。自身の骨を武器として投げることもある。骨が砕けても何度でも再生するが、頭蓋骨を破壊すると倒すことができる。


<下位五種族>

【魚人族】

『サハギン』……青い鱗に白いヒレや尾、鋭く尖った歯を持つ人型の魚だが、腕や足も生えている。主に噛みつき攻撃を行ってくるが、地上ではその力を十分に発揮できず、海水を腹に貯め吐き出し相手の動きを鈍らせた後で、得意な海中へと引きずり込もうとしてくる。


『ギルマン』……サハギンよりも人間に近い魚人。胸元が盛り上がったように大きく、特に腕が太く厚く発達している。主な攻撃は剛腕によるもので、その硬さは守備に関してもなかなかのもの。


【ゴブリン族】

『ゴブリン』……人型で小柄、体長は百二十センチほど。紫色の肌で耳は尖っている。多彩な武器を操ることができる。卑怯で姑息で小賢しく、相手の油断や隙を突いて攻撃をする。死んだフリすらも平気でする。


『狙撃ゴブリン』……弓を扱うゴブリン。近接ゴブリンへの命令権を持つ。弓矢の精度はあまり高くないが、毒矢を使ったりするなど容赦はない。


『ゴブリン術士メイジ』……魔法の使えるゴブリン。火を球体にして飛ばす。護衛の近接ゴブリンに自身を守らせている。ゴブリンキングの側近をしている個体は魔法力が高く、生命力をも消費して使用する魔法で何本もの火柱を連なるように燃え上がらせることができる。


『ゴブリンキング』……通常よりも大きな個体で体長は二メートルほど。頭上には金色に輝く王冠を乗せ、肩からは青色のマントをなびかせている。双刃剣を振るって戦う。人間の言葉も理解しているが、知らないフリをしながら相手の行動や情報を得ようとする知性もある。動きが機敏で力も強いが、傲慢であるために情報戦には弱い。


<その他>

【獣族】

ボアー』……体長は百センチから百五十センチ。茶色い毛を丸い胴体に生やし、突き出た鼻とその下には鋭い牙がある。脚は短い。通称シシノボアー。皮膚は硬く刃は通りにくいが、首元の血管は剥き出し状態で急所になっている。攻撃パターンは突進、牙の振り回し、前脚でのふみつけの三つ。剥ぎ取れる素材は牙と毛皮。


巨大猪ヌシ』……シシノ平原に生息する巨大なボアー。突然変異なのかは謎。体長は三メートル。討伐した際の懸賞金は銀貨六十枚。突進攻撃が通常のボアーとは比にならないほど強力で、旋回して追撃をしてくるほどに獰猛でもある。


小狼レッサーウルフ』……体長は百センチ以下。灰色の毛並みで目付きは鋭い。左右にフェイントをかけながら接近し、牙で獲物に食らいつく。剥ぎ取れる素材は牙と毛皮だが、多くの冒険者は牙だけを折って毛皮は捨てている。


黒狼コイマウルフ』……黒い毛皮に覆われた大きな体格と牙を持つ。コイマの森から出ようとはせず、集団戦闘を得意としている。小狼レッサーウルフとは違い、知能も高く、冒険者を分断させようと誘導したりもする。剥ぎ取れる素材は牙と毛皮で、小狼レッサーウルフよりも高値で取引されている。


怪鳥バード幼鳥ヒナ』……体長は六十センチほど。白くて丸い綿みたいなフォルムをしている。飛び跳ねて背後を取り、小さなクチバシで突っついたりして攻撃をする。剥ぎ取れる素材はふわふわな羽であり、傷んでいるとその売値は落ちてしまう。


怪鳥バード成鳥オヤ』……白く大きな翼と立派なクチバシを持つ鳥。全長は六メートルほど。羽は硬く長い。クチバシを使っての攻撃が多い。基本的に空中を飛んでいることが多く、弓矢や魔法でしかダメージを与えることはできない。


【魔法生物】

『ローパー』……緑の悪魔と呼ばれる魔法生物の内の一体。何本もの赤い触手が生えていて、それに触れると痺れてしまう。体長は三メートルほど。緑の体に大きな目が一つある。女性を好んで襲い、触手を使って武装を奪い捨てると胸や太ももに巻き付いていく。男性は攻撃をしない限りは相手にされないことが多く、冒険者の中には女性を連れ込み凌辱されている姿を見て楽しむ輩もいるらしい。


『スライム』……緑の悪魔と呼ばれる魔法生物の内の一体。体長は二メートルほど。水風船が二つ重なったような形をしている。中には赤い結晶があり、それが核になっている。外側の薄い色の粘液に触れると衣類が溶かされ、内側の濃い色の粘液に触れると肉まで溶かされてしまう。


『トレント』……木の魔法生物。幹に空洞が三つあり、人の顔のように見える人面樹。ロントネの森の番人であり、木々を傷つける者を容赦なく襲う。枝や根は斬り落としても再生するが、幹を両断するとトレントとしての活動はできなくなる。自身の樹液を人面樹の口から取り入れることで、火を消火することのできる泡で全身を覆うことができる。攻撃パターンは枝の腕と根の足によるものだけ。


『フレイムトレント』……火が灯り、燃え上がる巨大なトレント。全長七メートル。何らかの方法で巨大化し、火を付けられて暴走状態になっていた。周囲のトレントたちも警戒して手を出せないほどの勢いで燃えており、火を消すにはトレントの樹液を体内に放り込むしかなかった。


【人造魔法生物】

木の巨兵ウッドゴーレム』……ロントネの森のトレントを用いて造られた巨兵ゴーレム。体内に核が埋め込まれている。体長は三メートルほどで人型をしている。巨兵ゴーレム化の魔法には対象を強化する効果もあるらしく、トレントよりも硬く、振り下ろされる拳の威力も高い。


岩の巨兵ストーンゴーレム』……ルトナの街の外壁に使われていた岩を用いて造られた巨兵ゴーレム。大粒の赤い宝石が核になっている。太く短い脚に太く長い腕。巨大な胴体に頭が乗った全長六メートルほどの巨兵ゴーレム。攻撃パターンは両手を繋いでの叩きつけ。その衝撃で飛んだ小石などにも高い殺傷力がある。


鉄の巨兵アイアンゴーレム』……ロニ鉱山で採掘された鉄鉱石を用いて造られた巨兵ゴーレム。全長は九メートルほど。姿形は岩の巨兵ストーンゴーレムと同じ。魔法生物であることで気配を察知できない相手には術者の指示がない限りは攻撃ができない。構成されている物質によって強度が変動し、土や岩のような不純物が混じった状態では完全に力を発揮することはできない。

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