閑話 不撓不屈の精神(書籍版6月30日で終売決定)

「不撓不屈、か。アシアに説明を聞いたが、呪いのようなものだと」

「呪いかもね。それは何かを為すために倒れることを許さないものだ」

「勝つためではない?」

「かの人物は勝ったかね?」

「いいや」


 コウは首を横に振る。


「歴史では敗北して晒し首だ。それでもなお、人々に信仰されるほど、心に残っている」

「そうだろう。だから不撓不屈は勝つための執念ではないよ。別の思いだ」

「別の?」

「譲れないもの、かな。真相は五番機に聞いて見なければわからないけれどね」

「譲れないもの。しっくりくるよ」

「機械たる私だって工作では譲れないからな。直接五番機から聞いてみたいものだね」

「そういう雑談には応じてくれないからな。五番機は」

「それはそうだろう。シルエットは乗り物だ。とはいえだ。不撓不屈は機能。機能を引き出し、使いこなしている者は君だよ」

「俺? ―ーそうなのかもな」


 コウはふと口ずさむ。


「never give in, never give in, never, never, never, never――本来五番機に乗る人物が好きだった言葉だよ」

「君がその想いと志を五番機と一緒に引き継いだんだね」

「引き継いだ、か。そうだといいな。――違うな」


 修司の想いを継ぐ資格が自分にあるか。一瞬躊躇するが、慌てて首を横に振る。

 継いでいるのだ。でなけばコウを助けてくれたあの時――エメと師匠を助けてくれたのは修司たちであることを疑いはしない。


「継いだんだ。だからまだ五番機で戦うよ。しばらくは。ずっとかもな」

「ちゃんと休息も取るんだぞ」

「わかっている」


 アルゲースが自分の持ち場に戻っていく。


「アシア救出か。それを為すまでには倒れるわけにはいかないな。不撓不屈の精神だな」


 コウもみんなが待つ戦闘指揮所に戻る。

 残された五番機はいつのまにか頸を下げ、変わらぬように佇んでいた。



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いつもお読みいただきありがとうございます! 理念を込めて短編としてお送りします。


タイトルに記載している通り、本日は皆様に緊急告知があります。す。

書籍版「ネメシス戦域の強襲巨兵」は6月30日に終売、(株)インプレス様とは契約解除(契約そのものが無かったことに)となります。

一昨日、終売連絡があったのでびっくりしました。自分も知らなかったのです。火曜にコロナワクチン六回目打って39度の熱出していたんですよね。


契約解除に至った経緯を説明します。次がリュビア編なので続刊も慎重になっていました。

そこで(株)インプレスや(株)インプレスホールディングの役員様とお話したのですが「ネメシス戦域が今より高いステージに上がりたいなら」という話になり「契約解除」を先方様から提案していただきました。他の場所でチャレンジしてもよいよということです。

続刊しなくても本来なら数年間縛りのはずで、これは(株)インプレス様のご厚意だと思っています。何かしらのトラブルがあったわけではありません。

契約解除の時期は決まっていなかったのですが(株)インプレス様と編集部で話し合いの結果今月末と決定したとのことです。


契約上は6月末までですが、すでにいずみノベルズ公式サイトのネメシス戦域の強襲巨兵に関するページはすべて削除されています。これはもしや追放…!(違)

追放は美味しいネタなので追放されたS級作家かチートスキルが欲しいところですw


書籍版が購入、ダウンロードできるのは6月末までです。セール対象になるかは不明です。確認する手段がありません。

また書籍版誘導ページが全削除されているので、購入をご検討している読者様はお手数ですがご利用の電子書籍サイトの検索にて書籍を探していただくことになります。

(株)インプレス様によると現在所持している書籍が消えることはないということで、安心していただけると思います。


小山先生のイラストも契約解除になるので小山先生に権利が戻ります。今後は書籍版の無加工イラストは使用許可を頂いておりますのでTwitter等で用います。

五番機は引き続き小山英二先生による五番機です! 

そしてネメシス戦域は小山英二先生と一緒に移籍できる出版社を探す事になります。

終売が決まったばかりで、今後の方針は未定です。なろうやカクヨムのコンテストに出てみる等、色々考えております。


書籍版ネメシス戦域は一度倒れましたが、WEB版は定期的に更新を続けます。

今後も五番機、小山英二先生とともに歩んでいきます。


不撓不屈の精神で、移籍先を探し再起を図ります!

読者の皆様、応援よろしくお願いします!

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